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「寝ないの?」
森本「夜通しだよ!酒はまだ飲めねーからつまんねーかもだけどさ、久しぶりにゲームしよ!」
慎太郎が出してきたのは格闘ゲーム。
Aが意外と強くてさ。
お兄ちゃんとよくやるから負けたくないんだーって。
Aの好きなところ、また沢山伝えればいいのかな
俺は、親から大事に大事にとされてきたわけじゃない。
だから、人を大事にする、やり方がわからない────
田中「Aちゃん、……寝てるわ」
森本「こいつ夜弱い」
田中「かわい、ほっぺ触ったら起きるかな?」
森本「怒られるよ」
触んなよ、俺の彼女……いや、もう違う。
それが、こんなにも辛いなんて。
森本「悪いけどさ、俺まだAのこと好きだから」
田中「それなら俺もだけど。」
松村「知ってるよ、そんなこと」
森本「取られたくないならちゃんと示せよ、大事にしてくれよ、頼むから。」
慎太郎が真剣な声で言う。
「分かってる」、そう言おうとしたけど
出来てないんだから、分かってないって言われるに決まってる
森本「俺、A運んでくるわ。何回も部屋行ってるし、幼なじみだし?」
松村「それなら俺が」
田中「いや、ここは幼なじみに行ってもらお。」
慎太郎が彼女を抱いて2階へと上がっていく。
田中「……とにかく、おつかれ。」
松村「ありがとう」
田中「北斗、Aちゃんが嫌がることはしない、これは小さい頃にも習うだろ。それと、喜ぶことをする。なるべく一緒にいる。約束を守る。……これだけで大事にしてると思うよ。」
嫌がってくれるかな、ってのは……ダメだったって分かってるのに。
松村「……分かってるんだよ、俺だって」
田中「お前、ホント下手くそ」
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作者名:冬村 | 作成日時:2023年6月26日 15時