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松村「でか。中高の時一軒家じゃなかったっけ?」



田中「それが大学入ってから一人暮らし始めてんのよ。ここの18階がきょもの住んでるとこ。」



タワマン?ってやつ?


田中「たまーに泊まりにくんだけど外食ばっかしてるみたいだから全然自立してます!って感じはねーけどな。」



松村「ふぅん……つーか京本にかけてもAにかけても連絡つかねえけどほんとに京本のとこなの?」



田中「こんなんするのきょもだけだろ。」



……それもそうか。




ピンポーン。


オートロック開けてもらわないと行けない訳で。



田中「……まあもし外出てたらわかんねーけどな。」




詰んでない?それはもう、詰みでは?




京本「はい。」


田中「俺、じゅりー。」


京本「何しに来たの?今忙しい」



田中「いーからあーけてっ」


京本「ちょっと待って。開ける」




意外とすんなり開けられた扉。



エレベーターに乗ったら、耳がキンってした




京本「なに?」

田中「なんでドアチェーンつけてんだよ」


京本「不審者だから。」


松村「よう、京本。」


京本「ようとかいう人だっけ。」



松村「俺から隠したヤツ、返してくれない?」




俺がそう言うと、京本は深いため息をついた。


呆れたような顔。



京本「俺さぁ、好き同士ならいいって思ったって言ったじゃん。その後の行動にも改善もみられないわけ。彼女が嫌がらせ受けてても我関せず」



田中「は?まじ?」



「そう」と頷く京本を見て「ないわー」って顔で俺を見る樹。


いや、下手に介入して余計酷いことになっても困るじゃんと思ったわけで。



松村「会わせてよ、いるんでしょ?」




京本「いいけど別れてもらうことになる」


松村「なんでだよ」



京本「それは……後悔したことあるって言ってたから。北斗と付き合ったこと。」



胸が痛い。


分かってる、そんなふうに思わせてしまう可能性があったことくらい。



だって、俺は彼女に酷いことをしてきた。


そんな自覚があるから。


1回ご飯行っただけ、……これより、前に俺は彼女との約束を反故にした。

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作者名:冬村 | 作成日時:2023年6月26日 15時

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