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入学式。
桜が散る中、すごい人数の人が歩いていく。
みんな……似たようなスーツだけれど。
慎太郎はそわそわ、付き添いのお兄ちゃんもそわそわ。
北斗くんは……普通だ。
京本「1人で大丈夫だから。来なくていい、本当に。」
聞きなれた声がする。
誰かと言い合いをしている様子に見える、京本くん。
松村「……京本だ」
「揉めてる?のかな。車で送ってきてもらったみたい……」
森本「かぁ〜きんちょーする!!髪色派手なヤツらもふつーにいんな!」
「そうだね。意外と……まあ、そんなに偏差値高いとこっていうわけじゃないから。」
渡辺「スーツ着慣れねえわ〜仕事私服だしさ」
「よく持ってたよね」
渡辺「持ってる持ってる。なかったら阿部ちゃんとかに借りてるわ。」
「丈、余るよ」
「うるせー」と私を小突く兄。
入学式も終わり、適当にサークルのチラシもたくさん渡されて。
「君!めっちゃかわいーね!演劇サークル!どう!?」
「あ、えと考えておきます〜……」
森本「サークルどーするの?入るの?」
「……バイト、したいから。学費とか、お兄ちゃんが何とかしてくれたけど……。」
松村「……俺、映画サークル気になって説明聞いたんだけど。映画サークルとは名ばかりの合コンサークルだったわ。」
「どういう?」
ネ○フリとかを部室でだべりながら見るだけ。
女の子いっぱいいるよ〜って言われたんだと。
……女の子、いっぱい……。
松村「……A?どうかした?」
「ううん、なんでもない」
北斗くんがモテちゃって、他の子と仲良くしちゃったらどうしようって
考えてたなんて、言えない
……この時の私の思いは、本当になってしまう。
嫌だ、とはっきり言わなかった私にも原因はあるけれど────
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作者名:冬村 | 作成日時:2023年6月26日 15時