彼氏VSお兄ちゃん【名探偵コナン】

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ゼロくんがカチャカチャとドアノブを回した。なのに開かないってことは、やっぱり鍵が掛けられてるんだろう。まぁ開けっ放しなワケないわな。




「しかし犯人達の狙いは何なんだ？」

「ATMの現金補充の金だよ！防犯上、補充のタイミングは誰にも知らされていないけど…ATMの防犯映像で大まかな収支をチェックしていれば予想はつく…。残り100万以内になった所で立て続けに仲間に引き落とさせれば…銀行から現金補充に飛んで来るってワケさ！」

「なるほど…。店員もグルじゃなきゃできねぇ犯行だな…」




ゼロくんめちゃくちゃ賢いな。私全然分かんなかったのに。流石は未来の警察サマですな〜。




「でも何で奴らは顔を隠してねぇんだ？店員なんてサングラスすらしてねぇし…」

「事が済んだら皆殺しにする気なのかも…」

『えっ……』




ゼロくんの発言で、皆口々に「そ、そんな…水を買いに来ただけなのに…」「わ、私は娘のオヤツを…」と騒ぎ始める。嫌だ…せっかくヒロくんをお兄ちゃんに紹介できたのに…。認めさせられずに死ぬなんて絶対ヤダ。




「心配するな！何とかしてやる！！とにかくここから脱出する方法を考えないと…」




そう宥めつつ、顎に手を当てて悩む伊達さん。彼の後ろで、ゼロくんがパカッと何かを開けた。ん？あれって………配電盤？静かに近づき、ゼロくんに話しかける。




『ゼロくん…それって…』

「あぁ、もしかしたら助けを呼べるかもしれない」




そう言って不敵に笑ったゼロくんは、"たすけて"の文字をモールス信号で打ち始めた。









＿＿＿＿＿その少し後。ドアの向こう側が突然騒がしくなり、伊達さんが「おい…やけに騒がしいけど…。どうなってんだ？」と首を傾げる。



すると、ガチャとドアが開いて「待たせたな、ゼロ！！」とヒロくんが顔を出した。直後に私の姿を視界に捉え、その目が大きく見開かれる。




「Aちゃん！？何でここに…」

『お菓子買いに来たら強盗に遭った』

「ちょっ…大丈夫！？怪我とかない！？」

『無傷だから大丈夫だよ』




「良かった…」とキツく抱き締められ、その感触に助かったんだとようやく実感した。若干涙目になっていたら、それに気付いたのか指で涙を拭ってくれる。ヤバ、涙目なのバレてた…。恥ずかしい……。

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