彼氏VSお兄ちゃん【名探偵コナン】

最悪の再会 ページ31

お兄ちゃんの死から少し月日は経過し、寒さが身にしみる季節となった。




ビルを静かに登りながら、スマホをボーッといじる。メールの未送信ボックスには、お兄ちゃんや研二くんに宛てたものばかりだ。…結局、もう返事は来ないし送れないと分かっていても送ってしまうものなんだよな。【メールを送信できません】の文字ほど辛いものはないのに。



お兄ちゃんやその幼馴染が立て続けに死んだことで心配しているのか、最近は伊達さんからのメールがすごく増えた。私が早まらないかって不安なんだろう。はは、迷惑かけて申し訳ないな。

でも今日でそれも終わるから。



伊達さんの【大丈夫か？相談ならすぐ乗るからな】というメールに、【大丈夫だよ。今まで心配かけてゴメンね】とだけ返して唯一お気に入りにしているメールを開く。お兄ちゃんが、爆死する直前に送ってきていたメールだ。あの時は必死すぎて気づかなかったっけ。



内容を見て少し口角を上げると、私はお兄ちゃんへのメールを作成し始めた。………あれ、ミサンガがいつの間に切れたのか、手首から無くなってる。あーあ、せっかくお兄ちゃんとお揃いだったのに。ようやく願い事が叶うってこと？遅すぎるでしょ。



わざわざ捜しに戻るのも面倒なので、私は屋上に向かって足を進めた。そう言えば、ヒロくんとゼロくんは今頃何してるんだろ。ここ数年会えてないな。ちょっとくらい顔見せてくれてもいいじゃんかよ。それが無理な仕事なんだろうけどさ。



お兄ちゃんのサングラス片手に、少しずつメールを打ち込んでいく。別に時間なんて有り余る程あるしね。

そして最上階まで階段を登りきったその瞬間だった。




「動くな」




カチャッと私の方に拳銃が向けられたのは。

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