彼氏VSお兄ちゃん【名探偵コナン】

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カチッという音が響き渡り、思わず固く目を瞑った。しかし一向に爆発音が聞こえず、不思議に思いながら恐る恐る目を開く。そこには、カチカチと何度もスイッチを押しながら「な、何で爆発しない！？」と驚いている外守さんと、どことなく安心した顔をするヒロくんがいて。爆発……してない？なんで…？


まさか、お兄ちゃんが解体してくれたの…？




「そして有里ちゃんはその後言ってましたよ？「遠足から帰ったら…お父さんに謝んなきゃな」って…」




ようやく大人しくなった外守さんから離れ、ヒロくんが「Aちゃん遅くなってごめんね…！」と私を縛っているロープを解いてくれる。痛った………と後頭部をさすっていると、その行動に訝しげな顔だったヒロくんが徐々に「怪我してるの！？大丈夫？」と焦りながら言ってきた。




『ううん、ちょっと痛いだけだし大丈夫。そんなことより、本当に助けてくれてありがと……っ』

「俺の方こそ、もっと早く助けられたら良かったね。こんなだから、松田にも認めてもらえないんだろうな…」

『そんなことないよ。私にとってヒロくんは最っ高にカッコよくて素敵な彼氏だもの』

「Aちゃん…！」




少し震える手でヒロくんの両手を包み込んでいたら、伊達さんが気まずそうに「………お、おーい」と呼びかけてきた。




「………あの、雰囲気ぶち壊して悪いが、外守さんとこの子を下に連れてってもいいか？」

「そ、そうだった！早く松田にも無事を知らせてやらないと」




伊達さんが少女を抱きかかえ、その後ろから私達が順番に降りていく。私と目が合ったお兄ちゃんが「A！」と呼びかけてきた。やっぱりお兄ちゃん達もいたんだ。




『お兄ちゃん！』

「待って待ってAちゃん？何でここにいんの？？」

「あ、そうか。俺がAのスマホを見つけたのは、ハギが飛び出していった後だったな」

「はぁ！？ちょっAちゃん！怪我ないよね？」

『後頭部が少し痛い』

「よぉし外守のオッサンちょっと面貸せや」




私の周りには過保護な人が少々多いようだ。何故皆揃って怪我ないか聞いてくるんですか。理由は知ってるよ。人質だったからですよね！！！

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