痛みを感じない女 Part５【イナギャラ】 (ページ3)

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オ「聞くがいい。お前達が負ければ脱出のための移民船団全てが自動的に爆発する。

かつてお前達に滅ぼされた数多の星のようにな……

だが、地球との戦いに勝てば移民船団は返してやろう。それまで精々滅ぼされた星々の者達が味わった恐怖を、噛みしめるがいい」

そこで映像が途絶えた。

井吹「クッ……オズロックのやつっ！」

皆帆「流石にここまでは読めなかった……」

その時、控え室の扉が開かれたと思えば、そこに現われたのは天馬とずっと交信していたカトラだった。

天馬「カトラ！」

葵「天馬が言ってたのは、あの人？」

天馬はカトラに駆け寄っていった。

天馬「本物、だよね？やっと会えた！」

カトラ「よくここまで辿り付いてくれましたね。貴方なら、きっとやり遂げてくれると信じていました」

天馬「でも、折角集めた希望の欠片は奪われてしまって……」

カトラ「安心してください。４つの石は私の元に届きました」

天「！じゃあこれで宇宙はっ……！」

カトラ「残念ながらまだです……最後の条件は、この試合に勝利すること……」

天「勝てば宇宙を救えるの？」

カトラ「はいっ。ただ……」

天「ただ？」

カトラ「この戦いは、かつてない程に激しいものとなるでしょう。

貴方達にも、命の危険が及ぶやもしれません」

カトラの言葉に皆は心配そうな顔になる。

カトラ「命を賭けて戦えますか？」

カトラの言葉に、天馬は笑った。

天「皆そうだったよ……どの星の選手達も、命を賭けて戦っていた。

俺達はその姿を見届けてきたんだ。

だからフィールドに立つ以上は、自分達の全てを賭けてぶつかってくつもりさ！

絶対に勝って宇宙を救う！俺たちを信じて送り出してくれた、色んな星の仲間達のためにも！」

カトラ「はいっ」

カトラはそう言うと、そのまま控え室を出て行った。

Aはカトラの去って行く後ろ姿を見て、ずっと睨み付けていた。

『愚か者がっ……』

Aの呟きは誰にも聞こえることはなかった。