日本の道化の月 Ⅱ【イナオリ】 (ページ35)

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翌日、練習時間になりグラウンドにやってくるとそこには妙な機械が置かれてあった。

稲「どんな特訓をするんだ野坂？」

野「明日対戦するサウジアラビアにも、オリオンの使徒がいるはず。

これまでの傾向から、ラフプレーを仕掛けてくるのは用意に想像できます。

そこで、ラフプレーを躱す特訓をしようと思います」

剛「で、何だよこれは……？；」

剛陣がようやくその機械に触れた。

野「監督が特別に用意した装置です。今からやってみますね。西蔭、始めて」

西「はい」

西蔭が機械のスイッチを入れると、その機械から足のようなものが左右から飛び出てくる。

野「こんな風に、左右から連続で襲ってくる攻撃を躱していくんです」

稲「スゴい……」

『転んで頭打ってもう一回入院すればいいのに……』

機械の実践を試す野坂に向けAは小さくボソッと呟いた。

野「じゃあ始めましょうか」

『(誰がアンタの言うことなんか聞くもんですか)

私ちょっとお手洗い行ってくるね～先始めといて～』

Aはそう言うとグラウンドを出て行った。

野「……仕方が無いね。それじゃあ始めましょう」

そしてその後Aはグラウンドに戻ってくることはなかった。