日本の道化の月 Ⅱ【イナオリ】 (ページ32)

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８２．ページ32

そこから円堂は、一星の過去について皆に話した。

一星は幼少期、父親を亡くしその時にオリオン財団に拾われたという。

稲「どうして円堂さんはそのことを……？」

円「サッカー記者の人から聞いたんだ」

『あぁ、ゴシップ好きの人達ですもんね～』

基「オリオンは身寄りのなくなった一星を助けた……だから一星はオリオンに逆らえなくなった、ということですか」

稲「それが本当なら、俺たちで何とかしてやれるんじゃないのか？」

円「あいつが道を外れようとしているなら、助けてやろうじゃないか」

灰「待てよ！可哀想な事情があったら、何をやってもいいのかよっ！」

ヒ「確かにそれだけ許しちまうのはなぁ」

『一星君がやってきたこと、謝って許していいものなのかい？』

稲「それはっ……」

岩「待つでゴス！！」

岩戸が皆の前でそう叫んだ。

岩「一星君には、悪の組織に従わないといけない事情があるでゴス！」

灰「どういうことだ？」

岩「実は、一星君の弟の光君と文通してたでゴスっ。

光という名前で、字も綺麗で、つい最近まで女の子と勘違いしてたでゴスけど……；」

万「弟だって？」

氷浦「しかも文通っ？」

『キャハハハ！だから君あんなに落ち込んでたんだ！！アハハハハ！お腹痛いよそれ！最高だよ！！』

Aはその場にお腹を抱えながら大笑いし、灰崎の背中をバシバシと叩いている。

灰「いってぇなアホ毛！お前力強ぇんだから加減しやがれ！；」