日本の道化の月 Ⅱ【イナオリ】 (ページ31)

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風「それで、そのオリオン財団が一星を送り込んできた組織ですか？」

趙「そうです。オリオン財団はサッカーにおける経済効果が最大限になるように、試合結果をコントロールします。

それによって、より大きなビジネスへと変えているのです」

剛「サッカーは勝負の世界だ！そんなことできねーだろ？」

趙「そこで動くのが、オリオン財団のスパイ選手、オリオンの使徒達です」

風「スパイ？」

趙「はい。彼らは時にチームの味方をし、時に味方のマイナスになる行動をとります。

試合結果を、オリオン財団が決めたプラン通りに進めていくのです」

剛「それ、完全に八百長じゃねーか！」

基「つまり、今まで不審なプレーをしてきた連中が、そのオリオンの使徒ってわけですね」

趙「そういうことです」

剛「じゃあそんなもん、警察に何とかしてもらおうぜ！」

氷浦「選手を怪我させてまで試合の結果をコントロールするなんて、度を超してます」

趙「オリオン財団は巨大な組織……警察ですら抱き込んでいる可能性があります」

杏奈「黙って見ているしかないってことですか？」

つくし「このままでは、皆が危険な目に合うんですよねっ？」

趙「……ですから、我々はサッカーで彼らと戦うのです」

風「サッカーで戦う？」

趙「彼らがサッカーを支配できなくなれば、強引な行動に出てくるでしょう。

そうすれば、彼らがやっている悪事の動かぬ証拠を手に入れる事ができます」

野「つまり、僕らが勝ち進んでいけば、オリオンという組織の綻びをあぶり出せる、ということですね」

趙「さーすが野坂君、そういうことです」

灰「んじゃ、一星は俺たちの敵ってことで確定だな」

ヒ「なら排除で決まりか」

『賛成～！』

風「監督、いいですね」

円「俺は、反対だ」

円堂はそう言ってその場に立ち上がった。