日本の道化の月 Ⅱ【イナオリ】 (ページ30)

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趙「皆さーん、ご機嫌よう。

今日は皆さんに、話しておかなければならないことがあります。

皆さんはきっと不審に思っていることでしょう。FFIの試合の違和感を」

『なーんだ、やっとちゃんと教えてくれる気になったんですね』

趙「今から説明しますので、どうぞ皆さん座ってください」

皆は言われた通り席についた。

趙「実は今回の大会には、色んな大人の悪い事情が絡んでいるのです」

灰「やっぱり……あんた何か知っていたんだな」

趙「知っての通り、サッカーは世界有数のビッグエンターテインメントビジネスなのです。

世界経済を左右するほどに大きい。そこに目を付け、サッカーをビジネスとして徹底的に管理しようとしている組織があります」

『それが、オリオン財団ってことですかぁ？』

Aがそう言うと皆は驚いた顔でAを見つめた。

灰「アホ毛、お前知ってたのか！？」

『うん！監督に聞いたら教えてくれた～』

灰「なんで今まで黙ってやがった！？」

『だって監督に口止めされてたんだもの～～～』

灰崎はAの肩を掴んで前後に激しく揺らしている。

趙「まぁ、そういうことです。Aさんを責めないであげてください灰崎君～」

灰「ったく……」

Aは灰崎に揺らされて目を回していた。