日本の道化の月 Ⅱ【イナオリ】 (ページ29)

今日:5 hit、昨日:8 hit、合計:34,261 hit

７９．ページ29

翌日、皆はミーティングルームに集まっていた。

灰「何なんだこの大会はっ、これがFFIなのかよ！？」

集まった皆は昨日の試合を思い出していた。

氷浦「あぁ、イメージしていたのと大分違うな」

ヒ「次は誰がやられるんだァ？」

その時、警察に捕まっていた円堂がその場に帰ってきた。

円「ただいま」

稲「キャプテンっ、もう大丈夫なんですか？」

円「あぁ！」

『よかった～心配したんですよ円堂さん！』

円「心配かけて悪かったな」

その時、野坂が円堂の前に立った。

野「初めまして、円堂さん。お会いできて光栄です」

円「おぉー！野坂じゃないか！やっと復帰できたのか！

お前がいれば、百人力だな！」

野「ありがとうございます。僕も円堂さんみたいなプレイヤーになりたいと思って努力しています」

『うさんくさっ……』

Aはボソッとそう呟く。

灰「お前、点数稼ぐ系のやつだったのかよ」

野「僕の言葉に嘘はないよ」

灰「ケッ、へいへい……

ところでよ、円堂さんはこの大会をどう思ってるんだ？こんなものを世界大会って認めるのかよ」

円「確かに、この大会は何かおかしい。そのことは監督だって調べてくれている。

でも俺たちは、サッカーをやっていくしかないんじゃないか？」

灰「でも、こんなんじゃまともな試合できねーだろうがよ！」

円「そうでもないだろ。現に戦ってきたチームは、おかしな事もしてきたけど、ちゃんとサッカー強かったじゃないか」

灰「はぁ？」

円「そんなやつらと出会って、一緒にボールを追いかけられる。

それだけでも、すげぇことだろ。大切なのは、何ができないじゃなくて、何ができるかってことじゃないのか？」

そう言った次の瞬間、どこからともなく拍手が聞こえてきた。

振り返るとそこには監督がいた。