日本の道化の月 Ⅱ【イナオリ】 (ページ27)

今日:10 hit、昨日:8 hit、合計:34,266 hit

７７．ページ27

西「野坂さん、部屋で待っててくださっても……」

野「西蔭の帰りが遅いから少し心配になってね。

来てみれば、西蔭がどうやら困っているようだったから」

野坂は小さく微笑みながらAの方を見た。

『チッ……よかったね西蔭君、飼い主が拾いに来てくれて』

Aはそう言って飲物を持って部屋に帰ろうとした。

その時、野坂がAを引き留める。

野「待って、Aさん」

無視しようと思ったが、手を掴まれてそれはできなかった。

野「君にはちゃんと謝罪したいと思ってた……でも手術とかFFIでタイミングがなくて……

だから、少し遅くなってしまったけど今ここで謝罪の言葉を言わせてほしいんだ」

Aは野坂の方を振り返った。

野「ごめん……あの時、君達星章の人達に僕は酷い事をしてしまった。

特に君に対しては、僕の一時の感情のせいで君を傷つけてしまった」

”あまり僕を怒らせないでほしいな”＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

野「いくら目的のためとはいえ、君達のサッカー人生を狂わせてしまったのは僕の責任だ……」

”道化師如きが皇帝に敵うはずがないだろ”＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

野「だから今君に、謝罪の言葉を贈らせてほしい。

……ごめんなさい」

野坂はAに向け頭を下げた。

西「野坂さん……」