日本の道化の月 Ⅱ【イナオリ】 (ページ40)

今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:34,251 hit

９０．ページ40

会場に到着し、皆は試合の準備を進める。

今回もAは、灰崎とヒロトと同じ３トップからのスタートだ。

野「Aさん、君のバランス感覚と男子にも劣らないパワーは恐らく相手も読めないはずだ。

チャンスがあればどんどん攻めてくれて構わないからね」

『あはっ、わかったそうするね～！』

Aはそう笑顔で言うと自分のポジションに向かった。

『完全に司令塔気取りかよ……調子乗っちゃってさ』

そしてそのまま試合開始のホイッスルが鳴り響いた。

サウジアラビアボールからスタートし、早速DFにいた風丸がボールを奪った。

しかし相手は風丸の足を狙って攻撃してくる。だが風丸は特訓の成果もあり相手のラフプレーを全て躱していた。

その時、風丸の目元に光が差し込み、僅かな隙を狙って相手は風丸の足を攻撃した。

円「大丈夫か風丸！？」

風「あ、あぁ……すまない、躱せると思って油断してしまったっ」

風丸はその後、岩戸と交代し再び試合が再開した。

しかし今度は吹雪が相手に狙われ足を攻撃されてしまう。

坂「大丈夫ですか吹雪さん！？」

吹雪「すまないっ……日本のゴール前をしっかり固めてくれ……

坂野上君、岩戸君っ」

坂「はい、任せてください！」

岩「１点もやらないでゴスっ！」

吹雪「それを聞いて安心したよ」

吹雪はそのまま負傷者として退場していった。

一星の方を見れば、やりきったような顔をしていた。

『あーあ、嬉しそうな顔しちゃって……』

Aはつまらなさそうな顔で自分のポジションに戻った。