夜桜の木の下には彼女がいた４～エイリア学園編～ (ページ7)

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病室から抜け出したAは病院の屋上に来ていた。

あの時の吹雪の顔を思い出す度、Aは悔しそうに唇を血が滲む勢いで噛みしめた。

『(こんなに後悔するくらいなら、初めからもっときつく止めておけばよかった……

私の責任だ……)』

Aが屋上のベンチに座りながら頭を抱えていると、誰かがAの前に立った。

グ「Aちゃん」

『！』

Aはその声にハッとして顔をあげた。そこに立っていたのは先程まで戦っていたグランだった。

Aは反射的にグランに殴り掛かった。しかしそれは片手で防がれてしまった。

『アンタらさえいなきゃ、こうなることなんかなかったのにっ……』

そう言いながらAは力のない拳をグランにぶつけた。

グランは涙を流しながら叩くAを見て少し悲しげな表情だった。

グ「……ごめんね。今はそれだけしか言えないけど、彼のことは本当に申し訳なかったと思ってるんだ」

『今さら……』

グ「そうだよね……でも君には謝りたかったんだ。君だけにはどうしても嫌われたくなかったから」

グランはそう言いながら抵抗するAを強く抱きしめた。

Aは最初は抵抗するが男の力に敵うはずもなくその場でジッとした。

そしてしばらくするとグランはAからそっと離れた。

グ「……じゃあもう行くよ。またねAちゃん」

そう言うとグランは去っていった。

Aは再びその場に座り込んだ。