夜桜の木の下には彼女がいた２～エイリア学園編～ (ページ2)

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そしてその日の夜、Aと吹雪は外に出て星を見に来ていた。

北海道の星はとても綺麗で、Aはこの景色が幼い頃から好きだった。

『相変わらずここの景色は綺麗だな』

吹「Aちゃん寒くない？もっとこっちにおいで」

吹雪がAの手を引き自分の方へ密着させる。吹雪の体温が伝わってきた。

吹「昔もこうやって寒がりなAちゃんを暖めてあげたっけ」

『そうだったな……私の隣にはお前達兄弟がいてとても温かかった……』

Aがそう言うと吹雪は少し切なげに笑った。

吹「アツヤのこと、Aちゃんはすぐに見抜くだろうとは思ってたよ。

アツヤもAちゃんに久々に会えて喜んでる」

『そっか……元気そうで何よりだよ』

Aはそれ以上深くは何も聞かなかった。

空を見上げていると、ふと吹雪がAの手を握った。

吹「こうすると手袋がなくても暖かいでしょ？」

吹雪が微笑みながらそう言った。Aは暗くて周りが見えない中でもわかるほど顔は赤くなっていた。

しばらく二人はそのまま見つめ合った。

吹「Aちゃんとこうしてまた会える日がくるだなんて、とっても嬉しいよ。

これからは、ずっと一緒だね」

『士郎……』

吹雪が愛おしそうにAの冷たい頬を撫でた。そして徐々に近づいてくる吹雪の顔。

気がつけば吹雪の唇がAの唇に重なっていた。

『(私、今キスされてるのか……？)』

キスをする吹雪の唇は冷たくて柔らかい。溶けるような甘いキスを何度も角度を変えてしてくる。

Aは反射的に少し吹雪を押すが、吹雪はとまる気配はなくAの体を抱きしめて唇を貪る。

『んっ……し、ろうっ…』

息苦しくなって胸板を叩くと、そっと唇が離された。二人の唇からいやらしく銀の糸がひいていた。

吹「ごめんね。久々にAちゃんに会えたのが嬉しくて」

『もうっ……』

顔を赤くして少し睨み返せば吹雪はまた笑う。

吹「フフ、そろそろ戻ろうか。体が冷えきっちゃう」

吹雪はAの手をとりそのまま中へ戻っていった。

その日は、吹雪のキスが頭から離れなくて中々寝付けなかったAだった。