痛みを感じない少女【FFI】～Another Story 4～ (ページ25)

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１７５．ページ25

その時、ルシェが影山の元へ近づいた。

ルシェ「おじさん？」

影「！ルシェ……」

ルシェ「その声……やっぱりおじさんだ！」

影「見えるのか？」

ルシェ「うん！おじさんのお陰で私の目、見えるようになったんだよ！」

影「そうか……よかったな」

ルシェ「おじさん、ありがとう！」

ルシェが影山に近づこうとした時、影山は手を前に突き出しルシェを自分に近づかせないようにした。

影「ルシェ、私は君に感謝されるような人間ではない」

ルシェ「そんなことないよ！おじさんは私に手術を受けさせてくれた！手紙で励ましてくれたもの！」

ルシェの言葉に影山はルシェをジッと見つめた。

ルシェ「おじさん、ありがとうっ。私、サッカー勉強する！おじさんともっといっぱい話したいから！」

『……帝国にいた時、あの人はたまに誰かに対して手紙を書いていた。

いつもなら手紙を出すときは私に全て渡すのに、その手紙だけはあの人自らが出しに行っていた……

今思えば、そういうことだったのだね……』

Aは影山と眩しいほどの純粋な笑みを浮かべるルシェを見て目をうっすらと細めた。

『私とは、正反対の子だなぁ……』

ルシェを見てAはそう呟いた。