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壁「同点っすー！」
風「何より、カテナチオカウンターを破って追いついたことが一番大きいな！」
基「後半もこの調子でいけば必ず勝てる！」
『果たしてそうかな？』
皆が意気込んでいた時、Aが声をあげた。
『彼らは試合中にあれ程難易度の高い必殺タクティクスを完成させたのだよ？』
鬼「姉さんの言うとおりだ。どんな力を秘めているのか計り知れないぞ」
皆は二人の言葉に息を呑んだ。
その時、イタリアのベンチに一人の少年が現われた。
『彼は……』
フィ「キャプテン！」
フィディオ達はキャプテンと呼ばれる少年の方に駆け寄っていく。
影「ナカタ……ヒデ・ナカタか？」
ヒデ「初めましてミスターK」
影「キャプテンでありながら、随分長い間チームを離れていたな」
ヒデ「チームの為です。でも、自分の考えた以上の成果ですよ。
貴方のお陰でね」
その時、入場口のところに目をやると、そこにはヒデの友人ルカと、一人の幼い少女がいた。
影山はその少女を見て驚く。
影「！……ルシェっ、どうしてここに……ナカタ、これはどういうことだ！ルシェをここに連れてくるなどっ」
ヒデ「お言葉ですがミスターK。ルシェの願いなんです。
目が見えるようになったら、最初に貴方のサッカーを見たいってね」
影「だからといってこんなところにっ……」
ヒデ「……これが最後なんじゃないですか？」
影「なに？」
ヒデ「今日を最後に、貴方の試合は見られなくなる……違いますか？」
ヒデの言葉にAは影山をジッと見つめていた。
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作者名：梅こんぶ | 作成日時：2019年9月14日 20時
