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仲間割れをするイタリアは早々にイナズマジャパンに先制点を奪われる。
『このままではイタリアは確実に負ける……でもこれであの人が終わる訳がない……』
Aはベンチにいる影山を横目で見つめた。影山は余裕の笑みを浮かべていた。
試合が再開しイタリアの連係が取れていない隙をついて有人の指示でイナズマジャパンはイタリアを圧倒し始める。
追加点を奪おうとするも、それはフィディオに阻止されてしまう。
そして日本のスローイングから試合が再開する。
その時、試合が始まって初めてフィディオにボールが渡り攻め込んでくる。
その時Aはフィディオの動きに既視感を覚えていた。
『あの動き……まさか……』
フィディオの指示なのか、イタリアは一定の距離を保ってボールを追いかける。
『走りながらも彼らの距離が一定に保たれている。フィディオ君がコントロールしているのか……
周囲ではなく、全体を見通す視野と強靭なフィジカル……まずいなこれは……』
Aは考え込むようにして口元を手で隠し試合を見つめる。
『常に一歩先をゆく戦術眼……あれは昔、私が帝国に居るときに見た映像そのもの……
影山東吾の動きそのものっ…！どうしてフィディオ君が……』
その時、ベンチにいた影山が声をあげた。
影「そのプレーをやめろ！私の全てを壊したあの男のプレーなど！」
フィ「いえ！やめません！貴方が求めていたサッカーは、貴方の父、影山東吾が中心にいくことで完成するのですから！」
影「！」
そしてその瞬間、イタリアはボールを持つ有人を一瞬で包囲し、新たな必殺タクティクス「カテナチオカウンター」でボールを奪っていった。
『これが、あの人の目指したサッカーだというのかっ……』
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作者名：梅こんぶ | 作成日時：2019年9月14日 20時
