夜桜の木の下には彼女がいた～エイリア学園編～ (ページ41)

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４１．ページ41

男の子は毛布にくるまって震えていた。

塔「まだ寒い？」

「あ、ううん。もう大丈夫」

秋「雪原の真ん中で何してたの？」

「あそこは僕にとって特別な場所なんだ……北ヶ峰って言ってね」

古「北ヶ峰？聞いた事があるぞ。確か、雪崩が多いんだよな」

「あ……うん……」

そう言われるとその男の子は少し悲しそうな表情になった。

古「ところで坊主、どこまで行くんだ？」

「蹴りあげられたボールみたいに、ひたすら真っ直ぐに……」

『(答えになってねーよ)』

円「いいなぁその言い方！」

ここにもバカが一人。

円「蹴りあげられたボールみたいに真っ直ぐに、か。

な、サッカーやるの？」

「うん！好きなんだ」

円「俺もサッカー大好きだよ！」

するとその時、車が再び停まった。何かに引っかかったようで進まない。

古「雪だまりにタイヤをとられたっ

ちょっと見てくるわ」

古株がシートベルトをはずしてタイヤを見にいこうとしたとき、その男の子が引き留めた。

「駄目だよ。山オヤジが来るよ」

円「山オヤジ？」

と、次の瞬間、キャラバンが大きく揺れだしたと思えば、外に巨大な熊が襲ってきていた。

皆がパニックになっていると、先程までの男の子姿が見当たらない。

夏「あれ？彼は？」

その瞬間、キャラバンの揺れが止まり、外の熊を見ると倒れていた。

そしてその男の子が再びバスに乗ってきた。

「もう出発しても大丈夫ですよ」

円「……まさか」

栗「まさかでヤンス……」

土「だよね？；」

一「あぁ……；」

そして皆は不審に思いながらもキャラバンを出発させた。

そして男の子の目的地に到着した。

円「本当にここでいいのか？」

「うん、すぐそこだから」

円「んじゃ！」

「ありがとね」

そしてその男の子を降ろしキャラバンは再び出発した。

『(あいつ、やっぱり……)』