痛みを感じない少女 弐【イナオリ】

５９． ページ9

氷「子文君、あれだけのサッカーテクを持つ君が離れるということは、代表の面倒を見る以上に重要な条件ができたということだ」









剛「何？そんなにスゴかったか？」









氷「確かに彼は、”李子文”としては大したサッカーテクは見せてはいない。








だけど、君は別の姿で俺達を圧倒した。一人で５人を相手にして」









『(ほぅ……気付いていたんだ)』









氷「そう、彼は俺達を苦しめた謎のサッカープレイヤー、無敵ヶ原富士丸だ！」









氷浦がそう言うと、子文はずっと被っていた仮面を外して素顔を晒した。仮面の下の顔は、氷浦の言った通り、無敵ヶ原富士丸本人だった。









IJ「「えぇぇぇぇぇ！？」」









皆は衝撃だったのか子文の顔を見て驚く。









李「氷浦君は僕の正体に気付いていたんですね」









氷「あぁ。君がマスクを被るところを偶々見てしまったんだよ。









後ろ姿だったけど、その髪型は覚えてたからね」









李「何故バラさなかったんですか？」









氷「君の行動は俺達の役に立っていた。隠しているからには、何か意図があると思ったんだ」









『フフ、氷浦君は探偵さんのようだね』









趙「オーホッホッホッ！この際ですから、子文君の正体を皆さんに公表するしかありませんね〜」









李「はい、親分の考え通りに」









趙「では、今明かされる李子文君の秘密！」









監督はそう言うと皆は中国チームの映像を見せた。









映像には、中国選手のエースとして出場している子文の姿があった。しかしそこでの名前は李子文ではなく、”リ・ハオ”という名前だった。

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