痛みを感じない少女 弐【イナオリ】

７４． ページ24

灰「チッ、何なんだよさっきのはっ」









『彼らは残像を生み出しているのだよ。ものスゴい速さの動きに君達の目が惑わされているのさ』









風「残像ができるほどのスピードで動き回ってたっていうのかっ？」









『中国は、クンフーの呼吸法を応用して瞬間的に運動能力を高めているのだよ。








趙金雲が育てたチームだからこそできる必殺タクティクスだよ』









野「なるほど、確かに手強そうなタクティクスですね」









Aと野坂はお互いアイコンタクトを取るようにして見つめ合う。








『まぁ君達なら大丈夫さ。皆であの自由奔放な迷惑監督に一泡吹かせてあげようじゃないか』









ヒ「ハッ！やってやろうじゃねーの」









皆はそう行って後半に向けポジションについた。









趙「ふぅむ……Aさんは次は一体どんな策で来るのやら……全く予想が付きませんねぇ」









趙金雲は横目でベンチに座り余裕の表情をしているAを見ていた。









そして後半が始まり、試合は膠着状態が続いていた。









そんな時、Aがまたも突然声をあげた。









『剛陣君、準備はできているかい？』









IJ「「えぇ！？」」









剛「お、おうっ、いつでもいけるぜ！」









『フフ、そうかい。なら選手交代といこうか』









そう言ってAはここにきて剛陣とヒロトを交代させた。









氷「なんで剛陣先輩をここで？」









『彼がジョーカー……つまり切り札だからだよ』









Aは剛陣を見ながら小さく笑った。









趙「ほう、日本代表はついに秘密兵器を出してきたようですねぇ……」

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