痛みを感じない少女～Another Story～ (ページ45)

今日:14 hit、昨日:22 hit、合計:214,602 hit

４５．ページ45

そしてその日の夜、円堂と風丸がキャラバンの上で話をしていた。

円「今日は助かったよ。吹雪と染岡がぶつかったとき、お前吹雪に合わせるって言ってくれたろ？」

風「あぁ」

円「あれで俺、気付いたんだ。俺達も吹雪も、誰かに変われって言う前にまず自分から変わらなきゃ強くなんかなれないってさ」

風「そうだな……」

円「吹雪はすごいよ。俺達も変わっていこうぜ。あいつに負けてなんかいられない」

風「あいつを活かすにしても、誰かがエイリア学園からボールを取らなきゃな。それが勝利の鍵になる」

円「あぁ！風になればできるさ！」

風「……なれなかったら？」

円「そんなこと言うなよ」

風「力が欲しいんだ……神のアクアがあれば……世宇子中が使った神のアクア。あれを飲めばすぐにパワーアップできるだろ……

世界を救うためなら使っても許されるんじゃないか？Aに頼んだらきっと作ってくれるはずだっ」

円「何言ってるんだ！神のアクアなんかに頼っちゃダメだ！それじゃあ、あの影山と同じになっちまうぞ！

エイリア学園は、サッカーで人を傷つけるっ。だからこそ、俺達は正々堂々と戦って絶対に勝たなきゃいけないんだ！」

風「……悪かった。何焦ってるのかな俺。……忘れてくれ」

円「特訓特訓！なろうぜ風に！」

『おーい君達』

キャラバンの下からAが二人に声を掛ける。

『こんな時間まで夜更かししている悪い子は明日の朝食抜きにするよー』

円「えぇ！？それは困る！戻るぞ風丸！」

円堂はダッシュでキャラバンを降りていった。

円「おやすみA！」

風「おやすみ」

『はーいおやすみ～』

二人がキャラバンに乗り込んだ後、Aは深く溜息を吐いた。

『はぁ……風丸君が神のアクアに頼ろうとするなんてね……』