８． ページ8
『さて人間、このままその悪魔と帰るなら見逃してやろう』
シ「ほう？最凶の吸血鬼が易々と獲物を取り逃がすというわけか」
『クックック、確かに全盛期の我であれば悪魔如き消滅させて貴様の血を吸い尽くしていただろう。
だが今の我の力は全盛期よりも弱い。連中め、我の心臓に捧げる血の量を見誤りおって……』
Aは小さく舌打ちをしその辺に転がっている死体を踏みつけた。
セ「成程。この者達は貴方を復活させるための儀式を執り行っていたわけですね。
そして貴方が復活し、数百年分の血を吸い取るためここにいる者達を殺したと」
『我は冬眠していたわけではないからな。目が覚めれば当然腹が減る。
それに奴等は我が完全復活するために必要な血の量を与えなかった。そのせいで力が出し切れん。
今悪魔と戦えば、確実に我は殺されてしまうだろうな』
Aはそう言いながらも焦っている雰囲気は全くなかった。
シ「夜の王とはいえど、その様子じゃただの腹を空かせた蚊も同然ということか。
ハッ、面白いじゃないか。お前、僕の元へ来い」
『は？』
セ「ちょ、坊ちゃん？；」
シ「僕の仕事上、これから死体は嫌というほど見ることになるだろう。
それなら人を殺さずとも血を飲み続けられる。どうだ？悪くない話だろう」
『ほう？この我を人間のガキに仕えさせようと？全くもって愉快な話だ』
シ「僕はお前の力を利用するのみだ。お前も僕を利用すればいい。自分が力を取り戻すためにな」
シエルの言葉にAは不気味に笑い声を発する。
『クックック……ハハハハ！面白い！気に入ったぞガキ！
いいだろう。我は貴様を思う存分利用させてもらうことにしよう。それに、悪魔を仕えさせた貴様の手腕をこの目で見れるチャンスだ』
シ「フッ、良い返事だ。それとな……僕はシエル・ファントムハイヴ”伯爵”だ！
二度と「ガキ」と呼ぶな、わかったな」
『良かろう。シエル・ファントムハイヴ。このA・アルベルト、貴様に仕えてやろう。
我が復活するその時まで＿＿＿＿＿＿』
これがAとシエルの出会いだった＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 349人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
二酸化酸素(プロフ) - なんでこの作品が殿堂入りしてないのかが謎すぎる (2022年3月20日 13時) (
レス) @page3 id: 6bc4ff37e8 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬 白羽(プロフ) - 梅こんぶさん» ありがとうございます！ (2021年4月10日 13時) (レス) id: 86a711b866 (このIDを非表示/違反報告)
梅こんぶ(プロフ) - 黒瀬 白羽さん» コメントありがとうございます！私個人、異種族系のお話が大好きなので、そういった類のものは大歓迎です！ (2021年4月10日 12時) (レス) id: b822dbf1fc (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬 白羽(プロフ) - こんにちは！この作品がとても好きで何度も読み返させていただいています！私自身吸血鬼モノがすきで、今度黒執事の吸血鬼ものを書こうと思っていたのですが、内容は被せるつもりは無いのですが、吸血鬼モノという点が同じになってしまうのですがよろしいでしょうか？ (2021年4月10日 7時) (レス) id: 86a711b866 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 拝読しています。何時も梅こんぶさんのイナズマ夢小説を読んでいるベルモットです。ご存知ですよね。私も黒執事が大好き！！です。夢主人公のイメージイラストが好み！好み！でした。 (2019年7月31日 13時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：梅こんぶ | 作成日時：2019年7月20日 18時
