夜桜と美しき女神３〜アレスの天秤〜

１３７． ページ37

『チャンスだ！そのままあがれ！』









灰崎と野坂が再び激突する。その時、一瞬だけ野坂の動きが鈍ったように見えたかと思えば、野坂はそのまま倒れ込み苦しそうに頭を抱え出す。









『おいっ、どうしたんだ野坂！』









Aは咄嗟に野坂に駆け寄る。









野坂は頭を抱えて苦しそうにしているのを見る限り、先程の接触によるものではないとAは考えた。








『こいつ……もしかして』









野坂はそのまま担架で運ばれていった。









稲「野坂……」









『明日人、お前は野坂について何か知っているんじゃないのか？』









稲「えっ、それは……」









『まぁ今はいい。野坂のことは少し心配だが、今は試合に集中するんだ』









稲「はいっ」









試合が再開され、雷門と王帝月ノ宮は一歩も譲らない攻防が続く。









それから暫くして野坂がフィールドに戻ってきた。

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