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アズール先輩と契約した私達は、ジェイド先輩とフロイド先輩と共にオンボロ寮に帰ってきた。
「ほう、ここがオンボロ寮。中には初めて入りましたが、なかなか趣のある造りですね。
学校からも近いですし、『モストロ・ラウンジ』の2号店にぴったりの立地です」
「ここ、ゴーストが住んでるんでしょ?面白そうでいいなー」
2人は中に入っては楽しげに寮内を見渡す。
「で、オメーらはなんでココ付いてきてるんだゾ……」
「だってこの寮を担保にアズールと契約したじゃん」
「ふな”っ!?」
『まさか……;』
嫌な予感がして私達は身構える。
「ユウさんは他のみなさんと違い、契約時に能力を預けて頂くことができませんでしたから。
代わりに、この寮を没取させて頂きます」
「にゃに〜〜!?」
まさか没取されるとは思っておらず私達は驚く。
「お約束を果たしていただくまで、この寮は一時的にアズールのもの。
従って、3人には直ちに退去していただかなくてはなりません」
「身支度を整えるくらいの時間はあげるからさぁ」
「正式にここがアズールのものになった際は、私物は全て廃棄させていただきます。
そのつもりで身支度なさってくださいね」
「ふふふ、大丈夫だって。3日後の日没までに写真を持ってこられたら全部返してあげるからさぁ」
「「フフフフ……」」
2人の含み笑いがとてつもなく恐怖心を煽られた。
「ふな”ぁ〜〜!ツナ缶は全部持っていかないと!」
「とりあえず、制服と勉強道具かな……」
『あ、ユウさん。お風呂場で選択してるやつ、私とってきますね』
「うん、お願い」
私達は早速寮を出る準備をし始めた。
とんでもないことになってしまった。今日からは外で野宿生活だ。
___その時、ポタッと雫が零れる音が響き、お風呂場を覗いた。
『……栓、閉め忘れたかな』
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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2020年12月2日 14時