今日の天気は Ⅸ【相澤消太】 (ページ10)

今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:35,909 hit

４１０．ページ10

相澤がエリちゃんの元へ行っている間、Aは魂のない人形のように茫然としていた。

天喰「Aさん、どうしたんですか？いつもの元気が全くない……」

天喰がソファに座ったままウンともスンとも言わず動かずのAを見てマイクに問いかける。

マイク「……色々ありすぎたんだ」

マイクはそう言ってAの頭に手を乗せ優しく撫でた。

それと同時に、相澤が戻ってくる。

相澤はAの様子を見て目の前にしゃがみ込んだ。

相澤「……悪いな、あんなもん見せちまって」

『っ……』

相澤「必ず……絶対に俺が仇を討ってやる」

相澤の言葉に、ようやくAが顔をあげる。

顔をあげたAの顔は、とてもじゃないが、いつもの天真爛漫で無邪気な笑顔とは程遠い、何かを憎み、哀しみ、憐れむような顔をしていた。

『っぁ……ああああぁぁぁ”！！』

Aは絶望の淵に立たされ我慢の限界を迎えたのか、叫び声に近い酷い泣き声をあげ相澤に正面からしがみついた。

相澤もそれに答えるように強く抱きしめ返す。

「大丈夫」などという半端な言葉は口から出なかった。ただ今は、こうして抱きしめ返すしかできなかった。

相澤とマイクは、そんなAの姿を見て、無力さを痛感していた。