今日の天気は Ⅸ【相澤消太】 (ページ8)

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部屋を出た相澤たちは、タルタロスの外に出て塚内やグラントリノと話をする。

塚内「病院か……」

相澤「もう少し具体的な話を探れそうでしたが、お役に立てず申し訳ありません」

塚内「とんでもない！」

塚内は協力をしてくれた相澤と握手を交わす。

相澤「黒霧は…？」

塚内「ショートでもしたかのように停止してる。

ともかく…かなりの進展だよ。これも、妹さんのおかげだ」

Aはタルタロスから出ると、何も言わずに車に乗ってしまった。

グラン「先生(あんたら)もかつては生徒で…夢を追いかけた。

辛い話をさせた。この恩には必ず報いる」

グラントリノの言葉に、相澤は車に乗ってじっと動かないAを見つめた。

相澤「脳無って…何なんですか。何の為にあんなものを…」

グラン「わからない…ただ…これ以上犠牲者を増やすわけにはいかない」

海の潮風が吹いてくる。

相澤「進展、期待してます」

相澤はそう言うと、車に乗り込んだ。

グラン「DJ、あの娘…ちゃんと見ているんだぞ。

ああいう真っ直ぐで純粋に育った子は…立ち直りが遅く、すぐ心が脆くなる。

こっちからこんなことを依頼しておいて何だが…」

マイク「わかってますよ。あいつのことは、ガキん頃からの付き合いなんでね……」

塚内「カウンセリングなどが必要あれば言ってくれ。

未来ある若者は、大事にしないとですから」

マイク「おうよ……」

マイクはそう言うと、車に乗り込んだ。

後部座席に座るAを見れば、スカートに涙が零れ色が変わっていた。

マイク「……帰るぞ」

相澤「あぁ……」

車はゆっくり発進された。