今日の天気は Ⅸ【相澤消太】 (ページ6)

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相澤の話を聞いて動揺し始める黒霧。

相澤がAの手を掴んでくるので、意を決して口を開いた。

『……お兄ちゃんっ、そこにいるんでしょ？』

Aが話しかけると、黒霧はさらに動揺し始め動きが激しくなる。どこかもがき苦しんでいるようだった。

「脳波、波形に異常あり。動揺しています」

Aは黒霧に向け手を伸ばすが、ガラスが邪魔をして手は届かない。

『(目の前にいるのは、お兄ちゃん”だったもの”……

還ってくるわけでもないんだっ……でもっ)』

Aは自然と涙がポロポロと流れてくる。

『誰に変えられたんだよ！？どこで脳みそいじられた！？

ＵＳＪのあの時……私を逃してくれたのはお兄ちゃんなんでしょ！？』

黒霧「さっ、先刻から、何を仰って、い、るのかっ」

Aは訴えかけるように身を乗り出して叫ぶ。

『答えてよお兄ちゃん！！』

黒霧「私は黒霧、死柄木弔を守る者っ」

『違う！！天真爛漫で明るくて、ちょっとシスコンだけど、ヒーローを目指してる姿がすごくカッコイイ、私の大好きな、お兄ちゃんなんだ！！！』

黒霧「何を仰っているのかさっぱり＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿」

その瞬間、黒霧の黒いモヤが形になっていく。

そして、その浮かびあがった形は、白雲朧、本人の姿そのものだった。