今日の天気は Ⅸ【相澤消太】 (ページ5)

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相澤「俺が拾えないと…やりすごした子猫を、迷わず拾ってくるような奴だった」

『ぁ……』

Aも覚えがあるのか、小さい頃に兄が家に野良猫を連れ帰ってきて両親に説教をされていた時のことを思い出す。

黒霧「話が見えませんね。何をされにここへ？

それにそこにいらっしゃるのは、あの時捕え損ねた娘ですね。

あの時はどうも。おかげで大事な作戦がパアになりましたよ」

Aの黒霧を見つめる目は、とても哀しみに満ちていた。

そんな黒霧を見て、相澤は話を続ける。

相澤「中途半端で二の足踏んでばかりだった。そんな俺を、いつも引っ張ってくれた」

黒霧「ここを教会か何かと勘違いなされている」

相澤「おまえはいつも明るくて、前だけ見てた。後先なんて考えず…！

死んじまったら、全部終わりだってのに…！」

相澤の話を黙って聞く黒霧。少しだけ視線が相澤の方へ向けられている。

相澤「俺、山田と先生やってるよ。お前の妹の…Aの担任やってる……

すごいよコイツは…どんどんお前そっくりになっていきやがる……

だからその分、厳しく当たってきた。

おまえに……おまえのような誰かを引っ張っていけるヒーローに…長く生きてほしいからっ」

相澤はそう言うと、席を立って首元のゴーグルを外した。

相澤「白雲っ、でもまだ、おまえがそこにいるのなら！

なろうぜ…ヒーローに！」

相澤がそう言うと、黒霧は動揺しているのか、動きが不自然になってくる。