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「待てよ。俺はアンタが見せた根性が気に入った。
時間切れで勝ちなんて、俺としちゃ釈然としねぇ。
また改めて、アンタに挑ませてもらうぜ」
ジャックは真っ直ぐに地面に座り込むAを見てそう言う。
『……犬公…………』
「犬公って言うな!狼だ俺は!」
『ハハッ、悪い悪い。でも、もうこんなことは懲り懲りだわ。
やっぱ脚力の強い生物には勝てんわ』
「アンタも、女にしちゃあすげぇヤツだと思うぜ?」
ジャックがそう言った瞬間、先ほどまでの温厚な様子だったAとは打って変わって、青筋を立ててジャックに不良の如く睨み付けていた。
『誰が女だって?あぁん”?僕は正真正銘、男ですが!?』
「え?でも……」
『男っつったら男なんだよ!!』
Aがキレながらそう言うので、それを見たジェイドはAを抱えていく。
「はいはい。そろそろ寮に戻りましょうね。
フロイド、アズール、帰りましょうか」
「はぁ〜い。オレ疲れたからみんなでお風呂入ろうよ〜」
「それはいいですね」
『え、待て。僕は入らねえぞ。……おい下ろせ!』
「おや?貴方は男なのでしょう?なら問題ないじゃありませんか」
『ぼ、僕は女です!!女ですからー!!』
「往生際の悪い人だ。さぁ行きますよ」
Aの「下ろせー!この悪魔ー!」という叫び声と共に、ビーンズデーは終わりを迎えた。
「け、結局どっちなんだ?;」
「気にしないでおこう」
ジャックと監督生は去って行くAを見送りながらそう呟いていた。
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梅こんぶ(プロフ) - 弑逆ノ桜さん» 誤字の指摘ありがとうございます。訂正させていただきました。 (2020年8月5日 0時) (レス) id: b0a36378c3 (このIDを非表示/違反報告)
弑逆ノ桜(プロフ) - 103のバルガス先生の台詞で魔法が魔王になってますよっ!(ボソッ) (2020年8月4日 23時) (レス) id: cdb86ccf60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2020年8月4日 22時