元最凶の吸血鬼がメイドになった件 Ⅵ【黒執事】 (ページ10)

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そしてその夜、セバスチャンとAはシエルに報告をしていた。

セ「というわけで、モーリス・コールの被害にあった生徒は４名程おりました」

『こっちもあのクソガキを四六時中見張っていたが、あいつは寮弟の仕事の殆どを他人に任せている可能性が高い』

シ「やはりな……赤寮の中でのアイツの動きが知りたいが、寮弟の時間はセバスチャンに僕の仕事をさせているし……A、お前猫のまま赤寮に潜り込めないか？」

『それは難しいかもな』

シ「何故だ？」

『どうやら奴は、可愛い動物が嫌いなようだ』

Aは先ほどの事を思い出しイライラしていた。

シ「猫嫌い、か……人畜無害な顔をしているくせに」

シエルは悩ましげに頭を捻らせる。

シ「モーリス・コールがいる赤寮にもう一人コマが欲しい。デリックがいた寮でもあるし」

セ「しかしまた力尽くで欠員を作るのはオススメ出来かねます。流石にこう、頻繁では……

それに、たとえ入学が出来たとして自ら寮の選択は出来ません。配属寮は身分と同様、個性によっても左右されます」

シ「わかってる。特別高貴な者が所属する深紅の狐寮に必ず配属される身分と財力。

さらに欠員がなくても特例で入学が許される奴なんて……」

そこで３人は一人の人物を思い浮かべた。

シ「一人だけ思いついたがあいつだけはぜっっっったいに呼びたくない…！！」

セ「しかしあの方はその全ての条件を満たしたかなり特別なお方ですよ」

『あの者なら、有無を言わせず即入学できるだろうな』

シ「うーーー～～～～ん……っくそ…背に腹は変えられん……」