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セ「そろそろ来ますよ坊ちゃん」
セバスチャンはAとシエルを抱え、遠くから紫寮を見ることにした。
紫寮からは次々と生徒達が避難してくる。
シ「セバスチャン！A！デリック達を見つけるんだ！」
セ「御意、ご主人様」
『承知した』
セバスチャンは視覚から、Aは音からデリックを捜す。
シ「出てきたか？」
セ「まだです」
『……』
その時、紫寮の中の一部が爆発し、更に炎は燃え広がる。
シ「まだか！？」
セ「はい」
シ「くっ…仕方が無い。セバスチャン、デリック達の救助に」
『待て』
Aがそう言いジッと紫寮を見つめる。
『やはりな……』
シ「？」
『紫寮の中から人間の気配がしない』
シ「何！？」
『悪魔や吸血鬼は、この程度の距離なら生きた人間の気配を感知できる。悪魔は魂を、吸血鬼は血の匂いや音でな。
だが、すでに紫寮に人間の気配はない』
シ「すでに全員外に出たということか？」
『あぁ、デリック達紫寮に引きこもっている５人全員がいない』
セ「Aさんの言うとおりのようですね……」
シ「つまり……デリックは最初から紫寮にいなかった！？」
『これは……またややこしくなってきそうだな』
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作者名：梅こんぶ | 作成日時：2020年3月19日 18時
