元最凶の吸血鬼がメイドになった件 Ⅵ【黒執事】 (ページ22)

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そしてその日からシエルは本格的にデリック・アーデンについての探りを入れ始めた。

P4にデリックについて聞いた際に判ったことは、デリックの赤寮から紫寮への異動は校長が決めたことで、監督生である彼ら自身も理由は知らないとのこと。

そして明らかにデリックの事を聞いた時に雰囲気の変わった監督生達を見て、この者達が何かを隠しているのは明らかだということだった。

そして今シエルは、デリックの他に他寮へ異動になった者達について色んな人達に聞き込みをして回っていた。

しかし教師も生徒も皆口々に言うのは、「校長が決めたことだから」ということだけで誰一人詳しいことは知らない様子だった。

Aも、セバスチャンと副校長のヨハン・アガレスにデリックについて話を聞いていた。

ヨハン「デリック・アーデン…ですか？」

セ「えぇ、ずっと出席していない様なので気になって」

ヨハン「他寮の生徒にまでよく気を配りますね」

セ「どの寮生かは重要ではありませんよ」

ヨハン「彼はとても優秀な生徒でしたよ」

セ「ほぅ…ならばなぜ配属寮が変更に？」

ヨハン「さぁ……校長がお決めになったことですから」

セ「もしかして異動が原因で不登校になっているのでは？」

ヨハン「さぁ…校長がお決めになったことですか＿＿＿＿らあああぁぁあぁあぁ！」

ヨハンは足を滑らせて階段から盛大に転げ落ちていった。

セ「アガレス先生！？；」

ヨハン「スイマセンスイマセンスイマセン」

『あのドジ教師、ここから落ちても平気とはな……』

セバスチャンは階段を降りて副校長に手を貸した。

セ「医務室までお連れしましょうか？」

ヨハン「いえ、結構。ありがとうございます」

ヨハンは頭から血を流しながらそう言った。

そこでAとセバスチャンは少しだけ副校長に違和感を感じ取っていた。

『(何だ、この違和感は……)』