仕来り �� 𓈒𓏸𓐍 𓇢 ページ6
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当主はむすっとした顔になる。
そして鏡のある踊り場の左側の階段を登りながら口を開いた。
「まぁ、長い話になるだろうから」
そう言って僕に着いて来い、と言わんばかりに、また歩き出した。
その後をついて歩くと、先程まで僕がいた大広間が僕より下にあった。
部屋に着くまで、当主と僕は言葉をひとつも交わさなかった。
部屋に着くと、当主は好きなところに座るといい、と言って僕の近くに座った。僕はわざと少し離れた席を選んだ。
「無駄話をする気はない、仕来りについてだけ話して。」
僕は椅子に座った瞬間そう言った。当主に僕が何を言ってどうされても構わない。万が一、追い出されることになったとしても、僕からしたら解放されることと同意だ。
「そう急かすな、ゆっくり話そう、どうせ今日一日は本家に居ることになるんだ。」
そう、仕来りが終わるまで、僕は本家から出られない。
「僕としては当主との話を少しでも早く終わらせたい。」
「どうしてだい？」
当主はにこにこと楽しそうに笑っている。
僕達が話し始めると、使用人がカモミールティーを机に置いた。落ち着く香りが広がっていく。この街はハーブティーが有名なのだ。
「無駄話をする気はない、そう言った筈なんだけど。」
僕は顔まわりの髪を耳にかけた。
先ほどまで視界の隅にあった、緑と銀色の混ざったようなフォレスト家特有の髪が、視界から消える。
「初代国王様が王になったのは、十八の夜だったそうだ。仕来りの内容は、この街の森の一部を十八を迎える夜に預ける。」
当主は僕を見た。
「そして、預けられた森の一部を一年間守り切ることが、
フォレスト家の仕来りの内容だ。」
当主はその後、僕にしか聞こえないようにこう言った。
＿＿お前に預けるのはお前の家から見える、廃墟のある森だ。
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ぱるるる - 最近読めてなかったんですが、やっぱいつみても面白いです…！！ (9月17日 14時) (
レス) @page50 id: 4033a3da89 (このIDを非表示/違反報告)
ちょうれもん🦋 - 久しぶりに読みに来たら、たくさんのお話が出ていて、とても面白かったです。初登場のエメラルドちゃん(？)ツンデレなんでしょうか、とてもかわいいですね！！これからも頑張ってください！！ (7月21日 17時) (レス) id: 9043ebb7d6 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるるる - 最近低速やら没収やらでなかなか読めてなかったんですが、本当に素晴らしい作品です！(by教祖) (7月21日 9時) (レス) @page47 id: 4033a3da89 (このIDを非表示/違反報告)
Izana ハル - 初めて読ませていただきました！とても面白いです！(by入信者) (7月4日 22時) (レス) @page3 id: e32158e589 (このIDを非表示/違反報告)
夜空と小瓶 - 毎日投稿、ありがとうございます！！いつも楽しみにしています。これからも頑張ってください！！ (7月4日 12時) (レス) id: e2aa629c09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透明な炭酸水 | 作成日時：2023年5月28日 21時
