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かくれんぼ𓈒𓏸𓐍 𓇢 ページ44

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「どうした?」

何もない空間の奥へすたすたと進んでいたシェルはこちらを振り向いた。
その瞳は今までの鋭かった瞳ではなく、仲間に向けるような、安心しているような瞳だった。

白銀の世界の中で、オブシディアンのように黒く煌めく外套が、今は一人で、目立ちすぎて隠れられないような隠れんぼをしているようで、寂しそうに見えた。

「なんでもないよ、で、どうやって鏡の中に入ってきてるの?」

そんな寂しそうな背中には聞けない、どうしてオフィクスを復活させるのか、なんて。
オフィクスは全て争いによって家族や大切な人、家を無くした者で構成されていた。

理解などしてもらえるはずのない感情でさえも分かち合っていたその組織を復活させるのは、どうして?
シェルもそういう物を持っているの?
シェルも、本当は誰かに理解して欲しいの?
なんて、聞けないよ。

寂しそうにしないで、だってシェルは本家を襲ったんだ、王家であるボクが一番近付いちゃいけない相手だ。

なのに、一人で、見つけてもらえるわけのないかくれんぼをしているような寂しそうな姿を見せられたら、どうしたらいいのか分からなくなるだけじゃないか。

「___って、聞いてる?」

はっとした、ボクは下を向いて風は吹いていないのに揺れる緑と銀の混ざった髪を見ていた。
顔を上げると、少し心配そうにこちらを見るシェルがいた。

「気にしてんのか?」

申し訳なさそうにシェルは聞いてきた。

「なんのこと?」

ボクが心底不思議そうに聞き返すと、驚いたような顔をしてからシェルは顔を背けて歩き出した。
そしてすぐに立ち止まり、ばっ!とボクを見た。

「その..当主にはなれないって...言ったこと...だよ。」

こつん、と星形の積み木が頭に当たったような感覚がした。
もちろん足元に積み木は落ちておらず、光を反射したような白銀の景色が広がっている。


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もしかしたら𓈒𓏸𓐍 𓇢→←白銀の世界𓈒𓏸𓐍 𓇢



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ぱるるる - 最近読めてなかったんですが、やっぱいつみても面白いです…!! (9月17日 14時) (レス) @page50 id: 4033a3da89 (このIDを非表示/違反報告)
ちょうれもん🦋 - 久しぶりに読みに来たら、たくさんのお話が出ていて、とても面白かったです。初登場のエメラルドちゃん(?)ツンデレなんでしょうか、とてもかわいいですね!!これからも頑張ってください!! (7月21日 17時) (レス) id: 9043ebb7d6 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるるる - 最近低速やら没収やらでなかなか読めてなかったんですが、本当に素晴らしい作品です!(by教祖) (7月21日 9時) (レス) @page47 id: 4033a3da89 (このIDを非表示/違反報告)
Izana ハル - 初めて読ませていただきました!とても面白いです!(by入信者) (7月4日 22時) (レス) @page3 id: e32158e589 (このIDを非表示/違反報告)
夜空と小瓶 - 毎日投稿、ありがとうございます!!いつも楽しみにしています。これからも頑張ってください!! (7月4日 12時) (レス) id: e2aa629c09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:透明な炭酸水 | 作成日時:2023年5月28日 21時

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