鏡の中に自称双子が住んでいる件。 【創作】

ミドルノヴァ𓈒𓏸𓐍 𓇢 ページ20

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兄さんの声が聞こえてから顔を上げると、そこには、水に浮かんだようにポツンと城のようなものが建っていた。

僕らの街とは建物の造りが違う。
それは当たり前なんだろうけど、僕にとっては本の中でしか読んだことのない物だった。

一切波が立っていなくて、空と城がそのままもう一つあるようだった。

「すごい…水に浮かんでる…」

よく見てみると、城の向こう側に隆があるのが見えた。

「ねぇ兄さん、向こうに見える街はなんていう街なの？」

「あぁ、あそこはミドルノヴァだよ。」

「そうだったんだ、＿＿近いんだね。」

ミドルノヴァは、どこの領士でもない十二の街の中心に存在する、船でしか行くことのできない街。

十二の街で最も小さい、二十度に位置するサジタリウスと三百四十度に位置するカプリコーンよりも小さい。

平和的解決をするために、平均三十日間交代でミドルノヴァを管理することになっていて、領土の大きい国ほど管理する期間は長い。

僕らの住むジェミニは十二の街で最大の領士を誇っているから、三十二日間ミドルノヴァを管理することになっている。
管理すると言っても、ミドルノヴァで問題が起きた時たとき対応する街を決めたい、という内容だ。

昔、嫌という程に聞かされた。

僕もフォレスト家の当主になれば、管理しなければならない。
だから森を管理する仕来りを行うんだとか。

＿＿ん？

「ちょっと待って兄さん、僕すぐ戻らないと！」

「何で？」

兄さんはもう少しここに居よう、と言って動こうとしない。


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