一葉 ページ2
それは、イーストに隠れ家を見つけて数日が経った頃。
何時もの場所でぼーっとしていると
可愛らしい顔に少しの不安をのぞかせ
きょろきょろと色んな方向を見ている少年を見かけた。
「ねぇ少年、どうしたんだい？」
近寄り話しかけてみると少年はこちらに顔を向ける。
話しかけたのはただの興味本位だった。
近づいて気づいたのだが、この少年と私は同じくらいの年齢のようだ。
「…迷った」
可愛い顔を少し歪ませぼそっと答える少年。
なんだか可愛らしく感じ思わず吹き出してしまう。
「…ぷっ…はは…っ！そっかそっかぁ！迷っちゃったのか！」
「何笑ってんだよっ！」
「ごめんごめん、少年があまりに可愛らしいもんだから…
ねぇ少年、どこに行きたいの？僕が連れて行ってあげるよ」
「なぁ、その少年ってやめろよ
俺、ジェームズ。ジェームズ・モリアーティっていうんだ」
少年呼びはお気に召さなかったらしい。
「僕はA、A・スターレッドだ。よろしく、モリアーティ。
じゃ、さくっとモリアーティの行きたいところまで行こうか」
そう言って、はぐれてまた迷うことのないようにと手を差し出す。
それを察したのかモリアーティは黙って手を握り返してくれた。
「俺、パイプキャットに行きたいんだ」
「パイプキャット？なんでまたそんなところに？」
パイプキャットって、あのおじ…おばさん！のやってるバーで間違いないよね…
私あそこ苦手なんだよな…
「…あそこに行かないと、帰り道、わからないから」
「わかった、正直あの人は少し苦手だけど、可愛いモリアーティの為だからね。じゃ、行こうか」
「…？」
少し訝し気な顔をするモリアーティの手をひいて、私はすっかり日の暮れた歌舞伎町を歩き始めた。
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あぁ、懐かしい。
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ユナ(プロフ) - 更新楽しみにしています (2020年6月2日 19時) (
レス) id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - 歌舞伎町シャーロックの小説があって凄く嬉しいです…！無理をしないで更新頑張ってください！ (2020年3月28日 2時) (レス) id: f31585a7f8 (このIDを非表示/違反報告)
真夏の夜(プロフ) - 更新を楽しみにしています(^^) (2020年3月21日 2時) (レス) id: 1160d728c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜の木 | 作成日時：2020年3月15日 1時
