【ブラクロ】もしもの世界3【ウィリアム・ヴァンジャンス】 (ページ43)

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ふと後ろから声をかけられた

「！…だれ！？」

さっき街から盗みを働いてきたのだからその街の大人だろうと思い後ろを振り向いた

「……(わたしと同じ…いや年上のこども……？)」

そこにいたのは顔に痣のようなものがある自分より少し年上の男の子だった

＿＿＿＿そう、この男の子こそウィリアムだった

「あっ…ご、ごめん。すごく綺麗な魔法だったから…。」

私の魔法を…キレイと言った…？

今までそんなこと言われたことがなかったから驚いた

最初に言われた男たちの言葉は裏があると読み取れたけど…彼は違った

＿＿＿心からキレイだと言ってくれている気がした

「……ほんと？これ、キレイだった…？？」

「…？う、うん。」

彼は少し目を見開くと戸惑いながらも頷いてくれた

…私は素直に嬉しかった

「えへへ…はじめてほめられた…。」

知らないうちに笑みがこぼれる

生まれた村から出てきて以来人前でなんて笑うことなかったのにな…

「…君は僕の顔を見て何も思わないの？」

突然そんなことを彼は言った

少し下を向き目を逸らしながら

「？いたそう？？？」

小さい時の私は痣のことを気にすることはなかった
それよりも相手がどう動いて私を捕らえようとするのかという警戒心の方が強かったからだ

…今思えば7つの年の子供が考えていることではないだろう

「あ、いや…そうじゃなくて…その…気持ち悪いとか…」

彼は目を泳がせながらこちらに顔を向けた

「なんで？」

私は素直に思ったことを口にした

「え？なんでって…。」

「素敵だよ！おにいちゃんのお顔かっこいいし！」

こちらも素直な感想だった

…本当に整った顔をしていた

きっと私はこの時からウィリアムを＿＿

「えぇ？かっこいいなんてそんなこと…」

「…わたし、いつもひとりだったから…だからはなしかけてくれたおにいちゃんをきらうなんてことしないよ！」

他の人の前では警戒心は解かない

だけど…彼は信じてみたくもなった

何故かはわからないけど同じ境遇にいそうな感じがしたから