甘い:I ページ28
「本当に奢ってもらっちゃっていいの？じゃあお昼ご飯はあたしが奢るね」
あくまで"お詫びに奢ってもらう"ことが今日の目的だと思い込んでいるAは、どこかで奢るタイミングを作らなければと思っているらしい。
岩「いいんだって。女に飯奢らせる男がいるかよ」
「いるいる！なべしょだったら絶対今日1日奢らされてた」
岩「じゃ俺には奢らなくていい」
「えぇ〜〜なんか申し訳ないよ」
岩「いいの。俺は今日Aと出かけられただけで満足なの」
いい加減このやりとりを終わらせようと思って、手元のタピオカミルクティーを、おもむろにAに突きつけた。
Aは目の前に差し出されたミルクティーを呆気にとられた顔で見つめて。
数秒後、控えめにストローをくわえた。
「……ん」
うそ。
まさか、本当に飲むなんて。
どうせAはいつも通り、こういう行動について深く考えてない。
それでも俺は、自分でやっといて、みるみる顔が熱くなるのを感じる。
間接キスなんて、今更照れるようなもんでもないのに。
無性に気恥ずかしくて甘酸っぱい気持ちになって、そんな自分が余計に恥ずかしかった。
「…………ッ、ひ、ひかる」
たぶん照れを隠せていない俺を見て、やっとこの状況を理解したんだろう。
Aの顔までみるみる赤く染まっていく。パチパチやたらと瞬きを繰り返して、その度大きな黒目があちこち行ったり来たりする。
「〜〜、なんて顔してんのッ！！」
ついに真っ赤に染まった顔をそらしてしまって、俺の腕をバシリと強めに叩いて、俺の前を行ってしまう。
困った。どうしたってニヤける。
岩「待ってよ、A！」
俺、どんな顔してた？
Aのことが好きだ〜って顔してた？
数歩先でAに追いついて。
「………おい！」
岩「ん？なぁに？」
「ガン見やめて！！」
岩「え〜〜ガン見してない」
「してる！前向いて！」
岩「じゃあAがこっち向いてよ」
「〜〜〜、んなっ、なんだそれ！」
岩「うははは！」
楽しい。Aが俺の行動で、言葉で、たじたじになるのが楽しいし嬉しい。
こんな、幸せな時間が永遠に続けばいいのにな。
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しょぴお - このお話すごく好きでした。今まで更新お疲れ様です。ずっと読んでました。笑 お話の終わり方がすごい、いい感じですね。このお話大好きです。 (2019年5月31日 19時) (
レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 続編待ってます。 (2019年5月30日 11時) (レス) id: f9aa5203aa (このIDを非表示/違反報告)
Momanao(プロフ) - 続編、楽しみにしてます！なんか...嵐が吹き荒れる予感が... (2019年5月16日 1時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
しょぴお - 話を読んでて泣きそうになった…。いや、泣く笑 (2019年5月14日 22時) (レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
ミックスジュース(プロフ) - なべしょに頑張って欲しい！この作品大好きです！！これからも頑張って下さい！楽しみしています(^○^) (2019年5月14日 20時) (レス) id: 6b8cfc92fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2019年2月1日 14時
