甘い ページ26
岩「俺はミルクティーにするけど、Aはどうする？」
なんで昨日の今日で、こんなことになってるんだろう。
「あ、えっと…じゃあアイスティーにしよっかなぁ」
目の前にはたくさんの飲み物のメニュー。
隣には照。
岩「あ、ミルクティーの方タピオカ増量で」
照、本当にタピオカ好きなんだ。
笑顔がいつもより一層輝いている。
下から見上げるその笑顔が可愛くて、思わずあたしにまで笑顔が伝染した。
抑えきれない、みたいなニヤニヤ顔で財布を取り出す照。それを見てハッとする。
「照！今日はあたしが奢る日！」
急いでカバンの中に手を突っ込めば、照にその腕を止められる。
岩「いーからいーから。ほら、財布しまって」
「や、でも！今日は奢るって約束で……」
岩「あ、レシート大丈夫です」
説得しようと照に話しかけるのに、照はさっさと支払いを終えてしまって。あたしなんか無視でやっぱり可愛い笑顔でタピオカがくるのを待っている。
「……これじゃお詫びにならないじゃん！」
岩「俺は怒られるより、喜ばれたいんだけど」
「んなっ………それは、ありがとう」
岩「ふはは、どういたしまして」
奢ってるのは照の方なのに、やたらと嬉しそうに眉を下げて笑いかけるから、あたしはもう目をそらすしかない。
照があたしに笑いかけると、心臓が照に近づきたがっているみたいに、ドクリとひときわ大きく拍動するから、困ってしまう。
ちゃんと、気づいてる。
やっぱり、この気持ち、"好き"ってやつだ。
夏祭りの日を思い出すような、緊張感がこみ上げてくる。
隣の照は、店内の様子に夢中で、隣でガチガチのあたしなんて全然眼中にない。
ああ、照があたしに気付く前に、タピオカドリンクが完成してしまう前に、どうにか誤魔化さないと。
岩「A、はい」
目の前に突然現れたアイスティーと、照の声。
「っわ！！ え、あ、ありがと！」
ダメ。全然ダメだ。店員さん仕事が早い。
岩「どした？ボーッとしてた？ww」
うああ。それだよ、その笑顔。
それがあたしをダメにさせるんだってば。
「いや、ちょっと考え事！」
照の手から、アイスティーを奪う。
「おわわわ！！」
その時、指先がほんの少し触れて。アイスティーを取り落としそうになって、なんとかキャッチした。
岩「A落ち着いてww」
落ち着いてられるか！
岩「タピオカは逃げないよ」
あたしはこんなになってるのに、照はいつもと変わらず笑ってて、余裕に満ちてて。
それが悔しくて、そして安心した。
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しょぴお - このお話すごく好きでした。今まで更新お疲れ様です。ずっと読んでました。笑 お話の終わり方がすごい、いい感じですね。このお話大好きです。 (2019年5月31日 19時) (
レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 続編待ってます。 (2019年5月30日 11時) (レス) id: f9aa5203aa (このIDを非表示/違反報告)
Momanao(プロフ) - 続編、楽しみにしてます！なんか...嵐が吹き荒れる予感が... (2019年5月16日 1時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
しょぴお - 話を読んでて泣きそうになった…。いや、泣く笑 (2019年5月14日 22時) (レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
ミックスジュース(プロフ) - なべしょに頑張って欲しい！この作品大好きです！！これからも頑張って下さい！楽しみしています(^○^) (2019年5月14日 20時) (レス) id: 6b8cfc92fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2019年2月1日 14時
