後の祭り:W ページ19
ふっかの言う"特別な日"の真意を聞くこともできず、Aとも照ともろくに話すこともなく、気づけば新学期が始まっていた。
夏休みラストの2週間は、ほとんど毎日、片っ端から声をかけて引っかかった女と過ごした。
幸い相手には困らなくて、こんな時だけど、自分の顔が人並み以上なことをありがたく思った。
そんな中俺が色々なことを確信したのは、新学期初日。
Aと顔を合わせなくて済むように、さっさと家を出る準備をしていた時のことだ。
涼太に買い出しを頼まれたAが、その付き添いに、まさかの俺を指名してきたのだ。
驚きで一瞬止まってしまって、だけどすぐに、何事もなかったフリで準備を続けた。
『俺今日用事あるんだ。照に行ってもらえよ』
そう言ったらAは。
それはもう、呆れて笑えてしまうくらい、動揺した。
Aの顔を見ているのが辛くて、逃げるみたいにさっさと家を出た。
A、俺はね、元々そんなに気がきくほうじゃないんだよ。
だけどさ、お前のことになると、悔しいくらい、なんでもわかっちゃうんだよ。
なんでだろ。
まあ、好きだからだよな。
ああ。
馬鹿みてぇ。
どうやらAは照とは付き合っていないようだ。
もし2人の関係が発展していたのであれば、そもそも俺のことなんて誘わないはずだ。
買い出しの手伝いなんて正直誰でもいいはず。それなのに、少し考え込んで俺を指名したってことは、きっとなにか相談したいことでもあったんじゃねえかな。
もちろん、照のことだろう。
試しに照の名前を出してみたら、面白いくらい動揺した。
夏祭りの夜、なにがあったのか俺は知らない。
だけど、どうやら"特別な日"であったことは間違いないみたいだ。
付き合っていないようなのに、俺に相談したがっているなんて。
なにを相談されるのか。
そんなの、恋愛相談に決まってる。
きっと俺は、背中を押さなくちゃいけない。
好きな女が、俺じゃない男を想っているのを、応援しなくちゃならない、ってことだ。
Aの相談相手は、きっと俺しかいない。
だけど、A。
ごめん。
俺にはムリ。
相談に乗ってやれなくて、ごめん。
買い物も、手伝ってやれなくて、ごめん。
応援できなくて、ごめん。
背中を押せなくて、ごめん。
お前は間違ってないって、言ってやれなくて、ごめん。
お前を好きになってしまって、ごめん。
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しょぴお - このお話すごく好きでした。今まで更新お疲れ様です。ずっと読んでました。笑 お話の終わり方がすごい、いい感じですね。このお話大好きです。 (2019年5月31日 19時) (
レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 続編待ってます。 (2019年5月30日 11時) (レス) id: f9aa5203aa (このIDを非表示/違反報告)
Momanao(プロフ) - 続編、楽しみにしてます！なんか...嵐が吹き荒れる予感が... (2019年5月16日 1時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
しょぴお - 話を読んでて泣きそうになった…。いや、泣く笑 (2019年5月14日 22時) (レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
ミックスジュース(プロフ) - なべしょに頑張って欲しい！この作品大好きです！！これからも頑張って下さい！楽しみしています(^○^) (2019年5月14日 20時) (レス) id: 6b8cfc92fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2019年2月1日 14時
