新学期の与太話:F ページ2
俺たちが一緒に生活してきた半年は、確かなものだった。
それを物語るように、俺は今、1人フリースペースで時間を持て余す女の子を見ている。
Aちゃん。
俺の予想通りだった。
時刻は午後3時半。
3限はすでに終わっていて、もう4限が始まっている。
翔太が今朝言っていたことが正しければ、照はもうとっくに授業を終えて暇になっているはず。
それなのにAちゃんがここにいるってことは、照と買い出しに行くのを躊躇った、ってことだ。
量が多いって言ってたし、きっと1人じゃ大変だろうに。どうするつもりなんだろう。
視線の先では、Aちゃんが所在無げにスマホを見たり見なかったりを繰り返している。
深「おまたせ」
なんて声をかけようか迷ったけれど、結局無駄なことを言うのはやめた。
「えっ、ふっか！」
軽く手をあげる俺を見て、心底驚くAちゃん。けれど、すぐに笑顔になった。
「偶然！4限授業ないの？………って、おまたせ？」
そしてやっと俺の発言に違和感を発見したらしい。
深「そう、おまたせ。早く買い物済ませて帰ろうぜ」
「えっ………」
俺の言葉に呆気に取られるAちゃんを置いて、俺はさっさと歩き出す。
というのも、なんとなくカッコつけてしまって恥ずかしくなったからね。
「……ふっか！」
少しの間のあと大声で呼ばれて、思わず振り返ったら。
「……おっっまえ〜〜！！イケメンじゃん！」
すっごくニヤニヤニコニコしたAちゃんがいた。
色々と察したらしい。
とびきり笑顔のまま、俺の元へ駆け寄ってくる。
「ふっか、モテるでしょ」
深「え？わかる？」
「うーん、それがなければなぁ」
深「これがあるからいいんでしょ？」
「んー、まあいっか」
深「Aちゃん、俺が来なかったらどうするつもりだったの？」
「1人で頑張るしかないかって諦めてたよww」
深「照に頼めばよかったじゃん」
「もー、それができないの分かってるから、こうやって助けに来てくれたんでしょ？」
深「ふはは、まあね」
Aちゃんの嬉しそうな声を右側から聞きながら、のんびりスーパーまでの道を歩みだした。
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しょぴお - このお話すごく好きでした。今まで更新お疲れ様です。ずっと読んでました。笑 お話の終わり方がすごい、いい感じですね。このお話大好きです。 (2019年5月31日 19時) (
レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 続編待ってます。 (2019年5月30日 11時) (レス) id: f9aa5203aa (このIDを非表示/違反報告)
Momanao(プロフ) - 続編、楽しみにしてます！なんか...嵐が吹き荒れる予感が... (2019年5月16日 1時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
しょぴお - 話を読んでて泣きそうになった…。いや、泣く笑 (2019年5月14日 22時) (レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
ミックスジュース(プロフ) - なべしょに頑張って欲しい！この作品大好きです！！これからも頑張って下さい！楽しみしています(^○^) (2019年5月14日 20時) (レス) id: 6b8cfc92fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2019年2月1日 14時
