心配 ページ33
2人きりのキッチンで、あたしはハッとして、スプーンの粉末をミルクに突っ込む。
「だてさん。ビックリした！ 待ってね、だてさんの分も作る」
宮「ありがとう」
だてさんのマグカップを戸棚から出す。だてさんは冷蔵庫から牛乳を取り出してくれたので、それを受け取った。
宮「Aちゃん、もう寝る？」
「えっと…すぐには寝ない、かな」
宮「そしたらさぁ、少し話そっか」
「あ、うん……」
なんだろう、その、有無を言わさぬ感。
もちろん嫌なわけじゃないけれど、ちょっとビビってしまう。
きっと話の内容は、なべしょのことだろう。
だてさんまるではなべしょのことを何でも知っているみたいで、あたしはその逆。
だから、なべしょのことを相談するにはもってこいな人材なんだけど……なべしょについて、自分でも自分の気持ちがよくわかっていない今、どういう心境でなべしょの話をしたらいいのかわからない。
それが不安。
あたしの心の中で形もなくグチャグチャ動いているものを、整える前に、人に晒してしまうみたいな、心許なさ。
それと、他人の言葉で解決しようとしているみたいな、不誠実さ。
ちらりとだてさんを横目でうかがってみたら、初めて会った時みたいな綺麗な横顔で、冷蔵庫に貼られたなにかのレシピらしきメモを見ていて、なにか意図があるようには見えない。
だてさんは優しくて、そっと気を配ってくれる人だから、もしかしたら心配してくれたのかもしれないな。
できあがったココアをだてさんに渡して、2人でキッチンで並んですする。
少しして、だてさんが優しくしゃべり始めた。
宮「Aちゃん。その後、翔太には会えた？」
今まで聞いた中でもたぶん1番に優しい声で、まるでココアに溶かされたみたいだった。
優しくて甘かったから、さっきまで"ビビってる"なんて思っていたのに、あたしは今すぐだてさんに全部全部話してしまいたくなる。
「……うーん、会えたけど、話せてない」
宮「そう……昨日も帰ってきてないからね。心配だな」
「だよね。なべしょ、カップルのいざこざに巻き込まれたりしそうで、怖い」
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しょぴお - このお話すごく好きでした。今まで更新お疲れ様です。ずっと読んでました。笑 お話の終わり方がすごい、いい感じですね。このお話大好きです。 (2019年5月31日 19時) (
レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 続編待ってます。 (2019年5月30日 11時) (レス) id: f9aa5203aa (このIDを非表示/違反報告)
Momanao(プロフ) - 続編、楽しみにしてます！なんか...嵐が吹き荒れる予感が... (2019年5月16日 1時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
しょぴお - 話を読んでて泣きそうになった…。いや、泣く笑 (2019年5月14日 22時) (レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
ミックスジュース(プロフ) - なべしょに頑張って欲しい！この作品大好きです！！これからも頑張って下さい！楽しみしています(^○^) (2019年5月14日 20時) (レス) id: 6b8cfc92fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2019年2月1日 14時
