相談:I ページ6
阿「手伝ってくれてありがとう」
岩「どういたしまして」
あのあと、買い物に行くというふっかと別れ、1人でまっすぐ家へと帰った。
道中で買い出し帰りの阿部ちゃんと会ったので、荷物持ちを手伝って、2人揃って家へと到着。
岩「あちーな！エアコンつけよ」
阿「照は今日バイトないの？」
岩「ないよ。阿部ちゃんもヒマ？」
阿「うん。部屋の掃除でもしようかなーって思ってたとこ」
岩「そっか……」
リビングのテーブルについて、なんとはなしに、スマホを見る。何も目的もないし、目新しいものもない、形だけの行為。
阿「照、コーヒーでも飲む？」
岩「あ、うん。ありがとう」
スマホを見てもヒマが潰れなかったので、キッチンへと立った。
阿部ちゃんは、手際よくケトルで湯を沸かして、フィルターをマグカップにセットする。そこに挽いたコーヒー豆をいれて。
阿「見学？」
岩「まあ、そんな感じ」
ケトルのお湯が沸くのを待った。
阿部ちゃんは自分からは何も言わない。だけど、きっと俺が何か言いたいのを、わかっているかのようで。
だからきっと、こうやってコーヒーをいれてくれているんだろう。
静かな時間を、ケトルの機械音が遮った。
少しずつ、ケトルからお湯が注がれて、フィルターとコーヒー豆を濡らしていく。
お湯が落ちる水音だけが響いて、それがマグカップ2杯分。
阿部ちゃんは、コーヒーを飲む間の時間を俺にくれる、と伝えたいらしかった。
阿「はい、どうぞ」
岩「…ありがとう」
色んな想いを込めての、ありがとう。
それからゆっくり、2人で黙ってコーヒーを飲んで。
元の半分ほどまで水面が下がったころ。
岩「……阿部ちゃん、相談していい？」
阿「もちろん」
俺はやっと、重い口を開いた。
岩「なんて言うか、すごい言葉にするのが難しいんだけど……」
うまく言葉にまとめる自信がない。だからこそ、頭のいい阿部ちゃんに相談するのが、一番最適かもしれないなと思った。
岩「普通だったら、気にするべきじゃないことが、なぜか気になってしょうがなくて……確かめるのはおかしいし、相手にも嫌がられるかもしれないっていう時…………優先するべきなのは、俺の気持ちだと思う？それとも、相手の気持ちだと思う？」
紛れもなく、Aと、今日知ったバイト先の男についてのことだった。
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すずの(プロフ) - しょっぴーしんどみが深いです！ (2019年5月5日 2時) (
レス) id: 0281d1cc7e (このIDを非表示/違反報告)
もやし(プロフ) - 改めて最初から読み直しました！！しょっぴーが切ない…。しょっぴー頑張れ！！笑 (2019年1月25日 1時) (レス) id: e09021bb44 (このIDを非表示/違反報告)
とみちゃん(プロフ) - あなたの紡ぐ文章が読めて嬉しいです、応援してます。 (2019年1月25日 1時) (レス) id: df9c0b9860 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 最近は更新が毎日あって寝る前の楽しみになっています！無理せず頑張ってください！本当に文章やストーリーがお上手で感動します（；＿；） (2019年1月24日 1時) (レス) id: 32bd2067cf (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこけし(プロフ) - 阿部担だけど、なべがものすごく気になってしまいます…(笑) 物語もいよいよ佳境ですが、メンバー目線もっと読みたいです♪ 更新無理せず頑張って下さい(*´∀｀*) (2019年1月23日 17時) (携帯から) (レス) id: b63c0386f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2018年12月18日 4時
