2人で買い物:W ページ35
「良かった！いいの買えた！ありがとね」
渡「別に俺なんもしてねーよ」
俺が黄色い髪飾りを選ぶと、Aはそれを頭のあちこちに当てがって、まるでモデル気取りでいちいち笑顔を見せてきた。
ふざけてても、Aは見惚れてしまうくらい可愛くて。
思わずボケッとしていたら、いつの間にか精算を済ませてしまっていた。
このくらい、俺が出してやりたかったのに。
「他に何か買うものある？」
渡「ん、俺は特にない」
「そっか…じゃあアイス食べて帰ろっか」
渡「Aなにも買うものないの？」
「最近金欠！余裕ないから節約しなくちゃ」
Aは苦々しく顔を歪める。
そんなの…本当だったら、俺が買ってやるって言いたい。学生の身で買ってやれるものなんて大したものじゃないだろうけど。
欲しいものがあるなら、こっそり買って、サプライズだってしたい。
だけど、それって"彼氏"の仕事だよな？
俺がそれをやるって出しゃばるのって、きっとおかしいよな？
Aのことになると、考えすぎて、頭がこんがらがる。
「夏休み調子乗って使いすぎたからなぁ。バイト増やさなきゃ」
だからこそ、髪飾りくらい買ってやりたかった。
渡「……じゃあ、アイスは俺がおごってやる」
「……へっ？」
渡「なに？いらない？」
「えっ、えっ？いるいる！いるけど…いいの？」
渡「ついでに買うだけじゃん、数百円だし」
「え〜〜なべしょ！男じゃ〜ん！」
渡「うるせ。からかうとおごってやんねーぞ！」
「あぁごめん！ごちそうさまです！」
そうだよ、男だわ、バカ。
男なんだから、もっとちゃんとそういうものとして扱ってよ。
その権利を放棄したのは、俺だけど。
アイスおごるくらい、普通だよな？
俺今、普通の友達のフリ、ちゃんとできてる？
店では、たくさんのアイスを前にして、髪飾りを選ぶときよりもテンション高く子供みたいに目をキラキラさせるA。
微笑ましくて、思わず吹き出した。
いつかこいつを手に入れる男は、こんな景色を独り占めできるのかぁ。と、ふと思って。
あぁ、ずるいな。
気づいたらもう"好き"が止められなくなってた。
気持ちが成長しすぎて、見て見ぬフリ、できない。
どうせ最後は殺すしかない俺の気持ちさ、可哀想だから、俺だけは認めてあげてもいい？
俺ちゃんとお前の前では友達のフリするからさ、隣で見守ってるときくらい、彼女だと思い込んじゃダメかな？
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すずの(プロフ) - しょっぴーしんどみが深いです！ (2019年5月5日 2時) (
レス) id: 0281d1cc7e (このIDを非表示/違反報告)
もやし(プロフ) - 改めて最初から読み直しました！！しょっぴーが切ない…。しょっぴー頑張れ！！笑 (2019年1月25日 1時) (レス) id: e09021bb44 (このIDを非表示/違反報告)
とみちゃん(プロフ) - あなたの紡ぐ文章が読めて嬉しいです、応援してます。 (2019年1月25日 1時) (レス) id: df9c0b9860 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 最近は更新が毎日あって寝る前の楽しみになっています！無理せず頑張ってください！本当に文章やストーリーがお上手で感動します（；＿；） (2019年1月24日 1時) (レス) id: 32bd2067cf (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこけし(プロフ) - 阿部担だけど、なべがものすごく気になってしまいます…(笑) 物語もいよいよ佳境ですが、メンバー目線もっと読みたいです♪ 更新無理せず頑張って下さい(*´∀｀*) (2019年1月23日 17時) (携帯から) (レス) id: b63c0386f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2018年12月18日 4時
