夏カゼ:W ページ22
岩「翔太、おはよ」
こないだから、Aとも、照とも気まずいまま。
そんな中、起きて部屋を出たら、リビングで1人筋トレしてる照がいた。
俺を見るなり、まるでいつも通りの挨拶をしてきて、ちょっとだけ面食らう。
照のほうは全然気にしてないみたいなのだ。
渡「…おはよ」
動揺に気づかれないように、なるべく自然に挨拶を返して、照の横を通り抜ける。
でも、よく考えたら、照のほうは気にしてなくて当然なのかもしれない。
そもそも照は、Aから呼びすてで呼ばれるようになった、というだけで、何かしたわけでもない。
俺だけが変に勘ぐって、イラだって、冷たく当たってしまっただけなのだ。照からしたら、俺がなんで急にあんなこと言い出したのか、疑問に思っただけでもおかしくない。
渡「……照」
照の大きな背中に、思わず呼びかけたら。
岩「うん？」
けろっとした顔で、俺を振り返った。
岩「あ、翔太のコップ、洗ってしまっちゃった」
的外れなことを言って、少しだけ笑う照。
やっぱり、照はなにも気にしてなんかない。
瞬間、すっと胸が軽くなって、ああ、あとはAと仲直りするだけでいいんだと、理解した。
照は、俺と違って、大きい。
俺がどんなにごちゃごちゃ考えていても、照の大きさは問答無用だということがわかって、自分が情けなくなった。
照はずるい。
あまりにも大きい男で、自分がより小さく感じてしまう。
大きくて、真っ直ぐで、ブレない。
かっこよくて、ずるい。
渡「……いや、家で筋トレしてるの珍しいなって思って」
俺は照とAがどう思い合ってるのかなんて知りもしないけれど、もし、照とAの関係が発展することがあったとしたら、間違いなく俺に勝ち目はない。
だって俺はそもそも、同じフィールドに立てていないんだ。
俺はAを好きになる権利を持っていない。
俺がそれと引き換えに手に入れた、Aにとって弱さを見せられる存在、っていうのも、結局一度も発揮されないままお役御免になるのかな。
その役割まで、照のものになるのかな。
その時俺は、それを幸せなことだと思わなくてはいけないんだろうな。
岩「本当はジム行くつもりだったんだけど、Aが熱出しちゃったから、今日は家でやってんだ」
渡「……は？熱出した？あいつが？」
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すずの(プロフ) - しょっぴーしんどみが深いです！ (2019年5月5日 2時) (
レス) id: 0281d1cc7e (このIDを非表示/違反報告)
もやし(プロフ) - 改めて最初から読み直しました！！しょっぴーが切ない…。しょっぴー頑張れ！！笑 (2019年1月25日 1時) (レス) id: e09021bb44 (このIDを非表示/違反報告)
とみちゃん(プロフ) - あなたの紡ぐ文章が読めて嬉しいです、応援してます。 (2019年1月25日 1時) (レス) id: df9c0b9860 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 最近は更新が毎日あって寝る前の楽しみになっています！無理せず頑張ってください！本当に文章やストーリーがお上手で感動します（；＿；） (2019年1月24日 1時) (レス) id: 32bd2067cf (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこけし(プロフ) - 阿部担だけど、なべがものすごく気になってしまいます…(笑) 物語もいよいよ佳境ですが、メンバー目線もっと読みたいです♪ 更新無理せず頑張って下さい(*´∀｀*) (2019年1月23日 17時) (携帯から) (レス) id: b63c0386f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2018年12月18日 4時
