おつかい:I ページ17
岩「やっぱ2ケツはやめとくべきだった…」
「なんで？楽しいよ！」
岩「お前は乗ってるだけだからな！！」
「あははは！ごめんてww」
真夏の太陽の下。
自転車で15分くらいのところにあるスーパーへ買い出しに。
後ろにAを乗せて向かう。
チャリ1台でいいんじゃない？なんていう言葉に、なにも考えずに従った数分前の俺は本当にバカだ。
岩「あちーー！！」
ギラギラと真夏の太陽が照りつける中、1人の時よりも若干漕ぎ辛いペダルを踏み込む。
暑い風。こめかみを汗が伝って落ちる。
「運転うまいね！快適だよー」
岩「っチクショー。呑気でいいな！」
楽しそうに朗らかに笑うAの声を聞いて、まあたまにはこういうのも良いかと、思わず笑ってしまう。
「夏だなぁ」
Aの鼻歌混じりの声を聴きながら、俺はせっせと自転車をこぐ。
「あ、これ買お」
岩「はいいらない。戻して」
「……あ、これはいるなぁ」
岩「いらないいらない」
「おっ、生活必需品」
岩「違うでしょ、戻しなさい」
「こ、これは伝説の……」
岩「ボケすぎだから！ww」
スーパーに入るなり、目につく適当なものを手に取っては、俺の持つカゴに入れてこようとするA。
相変わらずのボケっぷりと茶目っ気に、思わず微笑ましい気持ちになる。
俺の数歩前を、ずーっとなにやら喋りながら、ひらひらと足取り軽く行く。
なにがそんなに楽しいんだか、笑顔を絶やさずに。
そんなAを見て、俺までつられて、変に楽しい気がしてくる。
岩「A」
「ん？」
岩「いーや、なんでもない」
「呼んだだけ？」
岩「そう」
「なにそれ？ww」
おかしそうに、朗らかに笑って。
「あ！ねぇねぇ、これならいるよね！」
何かを見つけてパタパタと走り出したA。振り返ったその手には。
岩「それはいるね」
チョコレートが握られていた。
思わず吹き出す。
そういえば出会ってすぐの頃は、やたらと俺の好きそうな甘いものを、Aが買って帰ってきたなぁと、他人事のように思い出す。
いつの間にそれが少なくなっていたんだろう。
お土産の減少に比例するかのように、俺たちは仲良くなっていったなぁ、なんて。
そこまで考えて、
岩「……あ、」
あぁ、俺は、今やっと気づいた。
あれは、あの頃まだ距離感のあった俺たちを繋ぐ、唯一のコミュニケーションツールだったんだ。
Aが作ってくれた、貴重な繋がりだったんだ。
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すずの(プロフ) - しょっぴーしんどみが深いです！ (2019年5月5日 2時) (
レス) id: 0281d1cc7e (このIDを非表示/違反報告)
もやし(プロフ) - 改めて最初から読み直しました！！しょっぴーが切ない…。しょっぴー頑張れ！！笑 (2019年1月25日 1時) (レス) id: e09021bb44 (このIDを非表示/違反報告)
とみちゃん(プロフ) - あなたの紡ぐ文章が読めて嬉しいです、応援してます。 (2019年1月25日 1時) (レス) id: df9c0b9860 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 最近は更新が毎日あって寝る前の楽しみになっています！無理せず頑張ってください！本当に文章やストーリーがお上手で感動します（；＿；） (2019年1月24日 1時) (レス) id: 32bd2067cf (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこけし(プロフ) - 阿部担だけど、なべがものすごく気になってしまいます…(笑) 物語もいよいよ佳境ですが、メンバー目線もっと読みたいです♪ 更新無理せず頑張って下さい(*´∀｀*) (2019年1月23日 17時) (携帯から) (レス) id: b63c0386f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2018年12月18日 4時
