見守る:A ページ15
翔太が部屋へと戻ってしまうと、変な沈黙が俺たちを支配した。
岩「……えっと、俺、なんか怒られた？」
照が、気まずそうに苦笑い。
「……」
Aちゃんは、なぜかはっとしたような顔で、黙りこくってしまった。
不意に訪れた気まずい空間に、意味もわからないままにどうにかしなければと焦る。
阿「…しょ、翔太、なんか機嫌悪かったねー！寝起きだったのかな？」
無理に取り繕うけれど、Aちゃんは気難しい顔をしたままだ。
阿「気にすることないよ。翔太、たまに機嫌読めなくなる時あるじゃん！今日はたまたま虫の居所が悪かったんだろうね」
必死に何事か言葉を紡ぐけど、フォローになっているかどうか怪しい。
照はコーヒーを一気に飲み干すと、ふうと一息吐いた。
岩「…そうだな。つーかA、そろそろバイトだろ。駅まで送ってく」
「……へっ？あ、本当だ。もう行かなきゃ」
なんとなく変な空気は、まだ少し残っていたけれど、Aちゃんと照は連れ立って家を出ていった。
俺もそろそろ家を出なくちゃいけない時間だ。
荷物をまとめながら、少しだけ翔太のことを考える。振り返った先の翔太の部屋の扉は、固く閉ざされていて物音1つしない。
機嫌が悪かっただけだと言ったのは自分だけれど、明らかに今朝の会話にその原因がある気がしてならなかった。
翔太と照と、Aちゃんの間で、なにかがこんがらがっているのかな。
どうにかしてあげたいけれど、むやみやたらと首を突っ込むのは失礼かなと思った。
翔太が、いきなり理由もないのに声を荒げることなんて、きっとない。
本人にしかわからないような、繊細な問題が横たわっているんだろう。
俺はいつでもみんなを受け止められるように、見守ることしかしてやれない。
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すずの(プロフ) - しょっぴーしんどみが深いです！ (2019年5月5日 2時) (
レス) id: 0281d1cc7e (このIDを非表示/違反報告)
もやし(プロフ) - 改めて最初から読み直しました！！しょっぴーが切ない…。しょっぴー頑張れ！！笑 (2019年1月25日 1時) (レス) id: e09021bb44 (このIDを非表示/違反報告)
とみちゃん(プロフ) - あなたの紡ぐ文章が読めて嬉しいです、応援してます。 (2019年1月25日 1時) (レス) id: df9c0b9860 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 最近は更新が毎日あって寝る前の楽しみになっています！無理せず頑張ってください！本当に文章やストーリーがお上手で感動します（；＿；） (2019年1月24日 1時) (レス) id: 32bd2067cf (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこけし(プロフ) - 阿部担だけど、なべがものすごく気になってしまいます…(笑) 物語もいよいよ佳境ですが、メンバー目線もっと読みたいです♪ 更新無理せず頑張って下さい(*´∀｀*) (2019年1月23日 17時) (携帯から) (レス) id: b63c0386f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2018年12月18日 4時
