2001に死者の帰還を (ページ5)

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142話:天秤に掛けられたのはページ5

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死に戻り……ねぇ…
…うん………うん、大丈夫、ちょっと思い出してきたかも。
なんとなくだし全部は思い出せてないけど。

なんだ、けっこう死んでたんだ私。

〈はい。今のもほんの一部。
貴方はすでにたくさん死んでいますよ。
……そして、何故貴方が記憶を失くしたか…わかりますか〉

それは……

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『そ、そんな……だって、だってこれじゃあ…ｯ！！』
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……もう分かる…

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『これじゃあまるで…！
最初からなんの意味もなかったみたいじゃないｯ！！』
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残酷な運命に、打ちのめされたから。

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『……もう無理…………無理だよ…』
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私の大切な人達が

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『みんなごめん……私…もう頑張れない…』
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私の希望が天秤に掛けられていることに気づいたから。

リタ達、カチューシャの7人か。
ジョルノ達、チームの7人か。

どちらかを見捨てなければならなかったのだ。

〈そうですね。あれだけたくさん繰り返し、死んでまで彼らを助けようと奮闘したにもかかわらず……
貴方の希望は簡単に打ち砕かれた。
だから逃げたのです。本能が貴方の記憶を消した。
限界は既に来ていたのですよ〉

〈でも貴方はまた戻るしかありません。
何故なら、これは貴方が願ったことだから〉

『……うん、分かってるよ。
一月の時と同様、強い願いがあんたの力を引き起こす。
そして、一度発動したこの死に戻りの能力は己の願いを叶えるまでは永遠に終わらない』

〈ですが…貴方にできるのですか？
限界を超えてしまっている貴方に…逃げ出した貴方に、これ以上何ができるのです？〉

『…ははは、意外と辛辣ね、あんた。
……うーん、そうだね。確かに一度は逃げ出したよ。

…でも、もう逃げないよ。逃げられないでしょ？
どうせ逃げられないなら、やるしかないじゃない。
だって私も……リカーラを継いだ人間だから』

〈……そうですか。わかりました。
期待しています、A。頑張ってくださいね〉

私が願ったのは……大切な人達が生きられる未来。
そのためなら私は、どんな犠牲だって払えるわ。
だって私はここに全てを懸けてきたもの。
全部選ぶなんて傲慢だけど、諦められないんだ。

みんな救いたい。
誰一人置いていきたくない。
私は最後まで私の全てを懸けて戦うわ。

もうおしまいよ…これで、最後にしなきゃ。